昨今、学校別サピックス・オープンや合格力判定サピックス・オープンが開催され、
「むむむ( *`ω´)」とか「うーん( ;∀;)」とか悶絶しているママさんも多いと思います。
そこで今出てきている偏差値や順位や合格率に関する分析と判断をテーマに記載したいと思います。
前提
各塾では様々な似たような学校別試験を実施していると思います。我が家の息子はサピックスに通っており、娘は日能研に通っています。
ここでは日能研の話はせず、サピックスをベースに話をします。
但し、早稲田アカデミーであろうが、他の塾であろうが、その分析における考え方はそれほど変わらないと思っていますので、サピックス以外の塾に通っている方の場合はその観点で読んで頂ければと思います。
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サピックスオープンについて
このサピックスオープンには種類があります。
どちらもサピックス生だけでなく、外部受験できるため、多く方が参加して自分のポジションを確認することができます。
以下に詳細を記載します。
合格力判定サピックスオープン(略称:SO)
合格力を測る目的とした試験になります。
小学校4年〜5年が年1回実施し、小学校6年で前半に2回と後半に4回実施します。この試験はサピックス生が全員+外部生ということになるので指標としては一番精度が高い試験になります。
試験場所は小学校5年生までは自分の校舎ですが小学校6年から学校説明会と併設する形で会場となる中学で試験を行うことが出来ます。
もちろん、サピックスの校舎を指定することも出来ますが本番を見越して通常、どこかお子さんが受験し得る学校の会場を指定して試験を受ける方がほとんどです。
但し、人気が集まるとお目当の会場は満員となり、指定出来ませんのでスマホを片手にご夫婦で予約合戦に参加した方が良いでしょう。
次にそもそものSOの精度に関しての補足です、正直言いますと小学校5年以下は本当に目安にしからならず、当てになりません(低学年なら尚更)。
その時点での相対としての実力値が出ますが追い込みで上がってくる生徒に突き上げられる形で小学校6年で押し下がる子供も結構いますので過度な期待は禁物です。
一方で小学校6年になると上位層の外部生も参戦してきて、より精度が高い試験になっていきます。小学校6年の前半の2回のSOで基本的に志望校をほぼほぼ固めて、後半4回の試験で本格的な入試日程を決めるという形が王道だと思います。
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学校別サピックスオープン(略称:学校別SO)
ここは難度の高い指定の学校のみピックアップされ、学校別SOとしてラインナップされています。
具体的には以下の学校群です。この学校別SOは2回実施され、ここを目指す生徒が基本的に受験するので自ずとハイレベルな戦いになります。
またサピックス側も言ってますが、過去問題よりも難しい、入試を意識した予想問題となっているため、そもそも問題もかなりハイレベルです。平均点も結構低いです。
- 男子校
- 筑駒、灘
- 開成、麻布、武蔵
- 駒場東邦
- 慶應普通部
- 栄光学園、聖光学院
- 早稲田、早大学院
- 女子校
- 桜蔭、雙葉、女子学院
- 豊島岡
- フェリス
- 共学
- 慶應中等部、慶應湘南藤沢
- 早稲田実業
- 渋谷渋谷、渋谷幕張
学校別SOは上位層の生徒のみが受ける試験となりますが、小学校6年になると通常のSOと日程が被りだし、午前、午後で試験を受けることも場合によりありますし、複数の学校別SOを受ける場合も午前、午後の連続で試験を受けるケースが発生します。
我が家は学校別SOで午前、午後受けたことがありますが、弁当持参で行ってましたし、本当に明るい朝から暗くなる晩まで試験という感じです。
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分析の前に学校別サピックスオープンについて
学校別SOは、基本的に優秀な生徒が受験するかもしれない学校に参加します。つまり、まだどこを受けようか悩んでいる優秀層も流入してきます。
これの意図するところは、例でいうとわかり易いと思いますが
「開成を受験予定だが、最悪、駒場東邦にチェンジして入試する可能性あるので一応受けておこうか」という感じで”上位層の中の更なる上位層”が受験してくるパターンが割とあります。
これが学校別SOの特長であり、学校別SOの”精度の揺れ”の原因でもあります。
その子の本命の学校と被っていなければ流入してくる優秀層が良い成績取っちゃうので偏差値が若干歪んでしまう。
一方で少なからず直前でスイッチしてくる子もいるのでなんとも言えない部分ももちろん潜んでいるといった感じです。
よって、ほぼ全員がガチンコで受ける通常のSOの方がフラットに分析出来ると思います。
追い込みの中でのサピックスオープンの分析と判断
とはいえ、受けた試験は、入試の糧となるように分析が大事です。参考までに我が家で見ていたポイント含め記載します。
全希望校のFit&Gapを見極める。
基本的に通常のSOでAタイプ(処理能力重視)、Bタイプ(思考/記述力重視)の分析もされているのでどちらに向いているかもある程度把握できます。
この時点でご家庭で希望している学校がどちらの学校に属しているかも事前に把握した上で本当にこのまま挑むことが試験性質と子供の特性スタイルとマッチするかを見ます。いわゆる、Fit&GAPを見極めます。
そもそもどんなに熱望している学校でも試験性質が子供と合わない場合、そもそもその学校とカルチャーが合わないかもしれません。
なぜなら、以下の記事にも記載しましたが、入試試験の内容は学校からのメッセージなのでそれと符号できない場合、仮に入学してもやはり苦しくなる可能性があります。
処理能力重視のAタイプの学校は受験少年院系の中学に多いですが、思考力/記述力重視のBタイプの学校は割と風土が自由です。つまり、学校そのものの雰囲気も相当に違います。
Bタイプの子がAタイプの学校に行ったら窮屈ですし、Aタイプの子がBタイプの学校に行ったら戸惑うかもしれません。
とは言え、子供自身がそんなにきれいにAだBだと大別されるわけではないのですがザクッと表すと上記のように言い表せられると思います。
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まえがき~スタートはここから~
学校別サピックスオープンで最悪シナリオでもどこまで戦えるか見極める。
学校別SOで先ほど記載した通り、特に志望している学校に関してのポジショニングを確認します。
学校別SOは多くの優秀層が流入した場合のワーストケースを想定した場合の順位と捉えて、最悪の場合のシナリオ・イメージを固めます。
それでも可能性があるのか?ここをきちんと見極める必要があります。
Aタイプの場合、サピックスオープンで合格率40%未満なら志望校の再考を。
希望校に関して、SOは小学校6年の後半で4回実施しますが、処理能力重視の学校を希望されている場合、ほぼ偏差値通りに合格可否が出ます。
これがAタイプの最大の特長です。
逆転ホームランは基本的に起こりません。宝くじと同じレベルの確率になります。
4回のSOの平均を見つつ、合格率40%未満の場合、かなり落ちる可能性が高いので自信がある/ないのレベルでなく、見極めをした方が良いです。
どちらかと言うと合格率50%以上の学校に変更した方が入試を有意義に持ち込めると思います。
ここは感情も入ってくるので各ご家庭の判断になりますが、処理能力重視の学校はその名の通り、処理能力ということできちんとコツコツと積み上げてきてスピード力と数をこなせる子が勝つ入試スタイルになっているので根性論で突破出来ない難しさを秘めていますので注意が必要です。
我が家はAタイプの学校も2019年度の入試にて受験しました。
その学校は首都圏模試センターの偏差値で70以上の学校です。
4回のSOの実績として合格率70〜80%で落ちないだろうと思いましたが不合格でした。
Bタイプの場合、学校別/通常サピックスオープンで見極め。
Bタイプの学校は、合格率が多少低くても奇跡的に合格するはあり得ます。(但し、多くはない。)
サピックス生であれば学校別SOの順位が昨年のサピックスの合格実績と照らし合わせて合格圏内に入っているかどうかもしくはあとちょっとで絡められそうな位置にいるなら十分、戦う価値はあると思います。
逆に2回の学校別SO で常に下位1/4の場合、再考した方が良いかもしれません。
通常SOの平均においてその学校の合格率が30%以上ならばチャレンジしてみる価値は十分あるかと思います。
我が家はBタイプの学校が本命で2019年度の入試にて受験しました。
その学校は首都圏模試センターの偏差値で70以上の学校です。4回のSOの実績として合格率30〜50%で2回の学校別SOの実績として真ん中ぐらいの順位でしたが、残念ながら不合格でした。
ABタイプ
ABタイプは処理能力と思考/記述力のハイブリット型です。これに大別される学校は多くはありません。
ここへの見極めもBタイプの見極め方と同じで捉えた方が良いです。
なぜなら、記述が割とあるので、点数の拾われ方が非常に読めません。Bに近くて、Aのように問題数もそこそこあるという学校群になります。
我が家はABタイプの学校が準本命で2019年度の入試にて受験しました。
その学校は首都圏模試センターの偏差値で70以上の学校です。
4回のSOの実績として合格率60〜70%で2回の学校別SOの実績としてやはり真ん中ぐらいの順位でした。
ここに無事合格を頂けました。
年々過酷になる中学受験
2019年度の中学受験から非常に受験者も増えていたという背景もあり、我が家は慎重に学校選別しましたが、もっと突っ込んだ入試をしてたらかなり危うかったと思います。
2022年以降も例年同様に過酷であると伺っており、塾側も予想がつき難いようです。
よく受験ブログで前受けた時はこうだった等の話が出てますが、以下の記事にも記載の通り、2012〜2017年に中学受験された時代はそもそも受験倍率が相対的に低いため、その時の話はもはや通用しないと肌感覚で思います。
サピックスの先生からは1月時点で上記に述べた3校について、保護者である我が家のママが相談等をしていた電話で「受験前で確約は出来ませんが、例年の状況や彼(息子)の状況を鑑みると全て合格出来、どこに行こうか迷うはずですのでこのまま突き進んで下さい」と応援も含めたメッセージを頂きました。
確かに最後まで押し上がる形で偏差値が上昇していたので、こちらもそこまで不安になりませんでしたが、結局のところ、3校中、なんとか1校合格を取れた、という状況です。
つまり、思った以上にシビアな感覚を持ちました。
息子の中学受験の手前で中学受験のブログを見てましたが書いてるのと全然違くない??と思ったものです。
当サイトはそういった意味で現実を厳しく追及し、記載をしています。
もちろん、我が家と異なるケースもあるかと思いますがこちらも以前の記事に記載の通り、我が家の周りも相当に厳しい受験でした。
ぜひ、皆さま、冷静に受験すべき学校の取捨選択を。
もちろん、偏差値や確度のみでなく納得出来る学校群を先にピックアップされている前提で上記のような再考を実施頂くと後悔する結果にはならないと思います。
ちなみに最終的な見極めにおけるギリギリ・ポイントは年末かと思います。
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メイン塾の補助的な位置付けで総復習/補強の為に
最後に本記事とは直接関係ない宣伝となりますが、現在、中学受験真っ只中の方向けの話です。
日々、塾の勉強をしていく中で不明点があったり、弱い分野というものがあると思います。
先生にも聞けない照れ屋な子供もたくさんいます。
そんな時に自宅で解らない科目・分野別に動画で復習を手軽に出来る手段があります。
それがスタディ・サプリです。
スタディサプリについて我が家は主にメイン塾の補助的な位置付けで特にコロナ禍での自宅学習時によく活用しました。
更に小・中・高のコンテンツが全て見れるのも凄いです!
こちらに何が凄いのかの特集記事も書いてます!ぜひ、ご検討を!
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