中学受験で時折話題になるのがこの「全落ち」という考えたくないワーストケースの話です。
今回はこの全落ちをテーマに記載したいと思います。
中学受験を通じて気づくことに関する他の記事を見たい方は以下を参照お願いします。
全落ちについて
始めに「全落ち」って読んで字の如く、中学受験において、受験した全ての中学で不合格となった場合を指します。
「全落ち」に関して都市伝説のように今、現在、中学受験を目指してどこも受からず、公立中学に通っているという方は私の周りで正直聞いたことがありません。
それは各塾でもそれだけは回避すべく、併願校の指導が功を奏しているとは思います。
但し、「全落ち」に限りなく近い形で想定外となる超安全校に通うことになったご家庭は結構な数でいらっしゃいます。
お通夜モード全開になりますし、かなりの心労を伴います。
最悪の最悪で検討していた学校の中でもほとんど想定をしていなかった唯一の1校にしか合格を頂けなかった場合、希望していた学校に「全落ち」しているので精神的なダメージは相当のもののように見受けられます。
よって、これは「ほぼ全落ち」と位置づけて議論します。
もちろん、そうならないために、以下のような神頼みなんてのも非常に大事ではありますw
一方で、論理的に物事は考えた方が良いので実際に「全落ち」ないし「ほぼ全落ち」を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?
このパターンの仕組みを理解した上で対策を練っていく必要があろうかと思います。
全落ち(ほぼ全落ち含む)の特長
全落ち、及びほぼ全落ちするご家庭にはいくつかの共通項が見られます。以下に箇条書きでその特長を記載します。
- 熱望している学校が複数日あるのにそれを全て受験しない。
- 中途半端に合格しそうな学校の入試日に当ててしまっている。(結果、そちらも落ちる)
- 繰り上がり合格の可能性を自ら放棄している。
- 中立的に見た場合に絶対に合格出来ないような偏差値帯を第一希望として受験している。
- 1日を無駄に利用している。
- 塾の先生の言う事を鵜呑みにして受験日程を組んでいる。
- 保護者での受験戦略がない。
- 相応校/安全校として設定した学校群について、倍率の高い学校をチョイスしている。
- 相応校/安全校でも倍率が高いと普通に落ちる事を考慮されていない。
- 午後入試を上手く活用しておらず、2/4、5にもつれ込んでいく。
- 午後入試で無謀に算数選抜を受けても、疲弊するのみ。
全体をまるっと言いますと例外なく、保護者の中学受験に関する戦略の甘さに起因して発生しているように思います。
[関連記事]
サピックスの活用術 〜指導編〜
日能研生の悲喜交々 〜成り上がり編〜
日能研生の悲喜交々 〜神々の墜落編〜
全落ち(ほぼ全落ち)しないための対処
先ほどの1個1個の問題に対して掘り下げていき、対策に関しても議論したいと思います。
また、それぞれの問題に対して対策込みのメッセージに変更し、記載し直していますのでご理解お願いします。
熱望している学校が複数日ある場合、全日程受験せよ
熱望している学校が複数日ある場合、全日程を受験した方が良いです。
なぜなら、全日程受験の場合、「繰り上がり合格」する可能性を救済することが出来ます。
もちろん、それも叶わないケースがあるかもしれませんが、全日程受験して駄目なら悔いはないと捉えた方が良いと思います。
なお、例外として、複数日の受験で2回目が大幅に偏差値がUpしてしまう学校の場合は、この方法はお勧めしません。
あくまでどの日程も偏差値帯として大幅なUpがない場合、同等の場合に有効と言っています。
もう一つのメリットは過去問対策をきちんとすれば、複数回のチャンスが得られるということなので不要に複数の学校の過去問対策をせずに済むことからも効率的かと考えます。
[関連記事]
サピックスの活用術 〜繰り上げ合格編〜
中学受験の失敗談 〜過去問題への対処編〜
中立的に見た場合に絶対に合格出来ないような偏差値帯を第一希望としてしている場合、12月末までに判断を。
偏差値が到底及んでいない中で第一希望でそこを目指して頑張ってきたので今更、受験しないという選択肢はない、と思ってる方が多いと思います。
しかし、感情論は中学受験に不要です。
合格しなければ、結局のところ、本人が一番苦しくなります。
もちろん、挑戦してチャレンジさせることは無駄ではなく、貴重な経験だ!と思う方も多いと思います。
なお、それは今後、本当に本人が親のレールを敷いた手の中でではなく、自分自身で探して選択した中でやれば良いように感じてます。
我が家としては、親が大きく関与が出来るのは中学受験ぐらいだと考えております。
その中で、“成功体験”として必ず、ある程度納得出来る学校に合格させてあげたいという思いを大前提に大チャレンジよりも相応校ないし、ちょいチャレンジ校という感じで学校選別をし、子供自身も楽しそうに通っているので良かったな、と思い、それをベースに記載しています。
受験したいなら「挑戦出来るステージとなる偏差値までお前が上げて来い」という形で各模試においてチェックポイントを設けて、基準をクリア出来ない場合、第一志望校を受験せず、第二のプランを発動するということで子供と地慣らししながら誘導することが重要と考えてます。
到底合格出来ない偏差値帯なのに記念受験しているご家庭は思いの他多いですが、ほぼ例外なく不合格となっています。
よって、受験そのものが無意味であると断言します。
(良い経験だった、という美談が欲しいのではなく、納得できる”成功体験”を与えたいという前提に立った場合として。)
数少ない入試日程を最大限有効的に活用するのであれば、既に目星を付けている相応校やちょい上のチャレンジ校にシフトするように心の面でも先導していくことが非常に重要です。
これを実施するに当たっては子供自身の心を上手く動かすことが非常にキーになります。
納得感なく、こっちの学校を受けろ、だとモチベーションは当然上がりません。
より適している学校はこっちだ、ということでモチベーションも上げる形で上手に誘導することが大切です。
繰り返しますが、記念受験は何の意味もありません。ぜひ、合格の可能性を考慮してチョイスした方が良いです。
我が家の場合、息子は安全校は一度も合格80%以上を切らなかった学校を2校受験する予定でした。
また、相応校でのチョイスは2校あり、合格可能性が60〜70%、チャレンジ校の合格可能性が40%でした。
加えて午後の算数選抜が合格可能性70%。結果、相応校の1校に合格しました。安全校は後半に用意してたので受験してません。
また娘の場合は、ほぼ合格出来ないだろうという学校に関して頑固として娘が受験したいという事で譲らなかったのでチャレンジ校を受ける代わりに安全校だけでなく、超安全校の2校を受ける形式を取りました。また本来、通って欲しい学校として相応校2校を受験しました。
結論は、なんとか相応校1校に最後の最後で合格となりましたが、非常に危険な入試となりました。(詳細は、関連記事を参照お願いします。)
合格を掴むためには冷静な判断が大事です。
実際に2020年の受験を追っかけて記載もしていますので、ぜひ、以下も参照お願いします。
中には全落ちを体感している声も拾っていますので。
[関連記事]
中学受験の失敗談 〜入学&more編〜
いざ入試!最終決戦での七転八倒(小6版) 〜2021年入試の総括・綱渡りの勝負(遺言編)〜
2020年中学受験スペシャル 〜入試開幕編〜
2020年中学受験スペシャル 〜振り返り/総集編〜
先生の言う事を聞きつつ、ご家族で納得出来る受験日程を組む。
これは実際あった話ですが、塾はどうしても「全落ち」を回避したいので、安全校を必ずどこかで受験させます。
ここで発生するのが、複数日に受験がある学校を第一希望にしている場合、どこかの日程のみその学校を受けずに安全校を勧めるケースがあります。
多くの方がこれをそのまま鵜呑みにし、結局、安全校に通われているケースが多いです。
安全校は午後含め調整しながら組む等実施することで本命の学校に影響が出ないように組むことも出来るはずです。
またそういうご家庭の方と話をすると「先生を信用し過ぎた」「まさかアノ学校(今、通学している学校)に通うことになるとは思わなかった」と言ってます。
もう絶望感が凄まじいです。
我が家の知り合いのご家庭は弟もいるのですがお兄ちゃんの受験をキッカケとし、それが原因で弟さんは転塾しました。
きちんとご家族で納得をして入試オーダを決めることが重要です。
[関連記事]
サピックスの活用術 〜指導編〜
お試し受験を行うべきか? 〜意義と地域特性編〜
相応校/安全校として設定する学校群については倍率の高い学校は出来る限り避けよう。
これ結構あるあるなのですが、安全校で実質倍率が3.0倍以上あると結構、キツイです。割と落ちる可能性が出てきます。
当日のコンディションが悪かったり、入試で緊張して頭真っ白になったり、と色々な変動要素が入試当日は発生する場合があります。
その中で倍率が高い場合、普通に力負けするパターンがあります。
また相応校も実質倍率が2.0倍以上あると落ちるリスクが非常に高まります。要は2人に1人落ちますからね。
学校の倍率については調べると例年の様子が分かるので、それを参考にしつつ、
2倍未満の学校もたくさんあるので上手く納得できるチョイスをすることが大事ですし、複数の安全校、複数の相応校へ挑む形式の方が合格の確度は上がるものと思います。
[関連記事]
受験日程における虎の巻 〜2月1日編〜
受験日程における虎の巻 〜2月2日編〜
受験日程における虎の巻 〜2月3日編〜
中学受験を通じて気づくこと 〜入試という国取り合戦編〜
午後入試は安全校を。午後入試しないなら体を休めよう。
午後入試は非常に体力面、精神面で疲れます。
折角、受けに行くなら、確実に勝ちを取りに行かないともったいないです。
午後の算数選抜は一見、1教科なので楽そうに見えますが、倍率が高いので疲弊しかしません。
安全校を受けないならば、午後は体を休める方がよっぽど有意義です。
翌日の入試に備えましょう。
なお、我が家の娘は頑固としてチャレンジ校を受けたいという強い意志があり、それを尊重して2/1AM受験をしつつ、その代わりに2/1、2、3の午後に関して、リスク分散という事で連打で受けました(当然、各日付で午前も受験してますので、2/1〜2/4までで入試を7回Tryしてます)。なお、疲労を掛けないように車で送迎等しつつ、ケアをしましたが非常に大変でした。
午後受験は色々とサポートをしながら実施しないと体力が奪われますので注意必要です。
[関連記事]
中学受験の失敗談 〜W出願&直前出願と午後入試編〜
全落ちを回避する為のおさらい
「全落ち」もしくは「ほぼ全落ち」のご家庭は、マジ絶望感が半端ないです。
なお、中学受験で特に入試の組み方を戦略を練って挑めば、それ相応の結果が必ず出ます。
ダメなのは感情的な選択をしていたり、無理をしたり、入試日程の組み方が下手だとズルズルと「全落ちという森」に迷い込みます。
ぜひ、感情とは別に論理的に今ある事実を元に戦略を練りましょう。
無理に偏差値の高い学校に入っても、入学した後にどんなに頑張っても下位層から抜け出せないというケースは本当にあります。
苦労して入っても進級できずに公立中に転出ということも実際起こります。(中学の場合、留年はないので転出ということで他校への転校となります。)
偏差値の高い中学の授業進度は早いです。
それに追いつけず、結局、塾に通いつつも下位層から抜け出せないことが中1時点で普通に発生します。
勉強面でどんなに頑張っても落ちこぼれゾーンに入るとかなりキツイです。
我が家の息子の中学でも実際に既にこのような感じの友達がいます。進級も危ないそうです。
程よく居場所がある学校というのがベストなので今一度きちんと希望する学校を選別しましょう。
[関連記事]
超難関中学のママ懇親会(中1版) 〜秋の陣〜
メイン塾の補助的な位置付けで総復習/補強の為に
最後に本記事とは直接関係ない宣伝となりますが、現在、中学受験真っ只中の方向けの話です。
日々、塾の勉強をしていく中で不明点があったり、弱い分野というものがあると思います。
先生にも聞けない照れ屋な子供もたくさんいます。
そんな時に自宅で解らない科目・分野別に動画で復習を手軽に出来る手段があります。
それがスタディ・サプリです。
スタディサプリについて我が家は主にメイン塾の補助的な位置付けで特にコロナ禍での自宅学習時によく活用しました。
更に小・中・高のコンテンツが全て見れるのも凄いです!
こちらに何が凄いのかの特集記事も書いてます!ぜひ、ご検討を!
コメント