前回同様に大学を軸にその付属中学に関して論じて行きたいと思います。
今回は、女子大ということで日本女子大学、大妻女子大学の付属校に関して記載します。
(ちなみにアイキャッチ画像は、リーダーシップと柔軟性をイメージしたフリー素材をチョイスしましたw)
昨今、付属校の人気が激増中という事で過去にも以下の記事の通り、深掘っていました。
- 付属校の光と陰 ~学校PR編~
- 付属校の光と陰 ~構造的な問題編~
- 付属校の光と陰 ~親の思い編~
- 付属校の光と陰 ~卒業後(One of Them)編~
- 付属校を真剣に考える 〜偏差値50未満編〜
- 付属校を真剣に考える 〜偏差値50以上編〜
- 付属校を真剣に考える 〜充実編〜
- 付属校を真剣に考える 〜悲劇のシナリオ編〜
尚、Twitterで付属校に関して呼びかけたところ、反響や興味度/進学希望者が高かった学校群であるGMARCHを始めとして付属校に関して希望者が多くいらっしゃったことから学校ごとに徹底分析していこうと思います。
色々な参考文献や我が家の周りの情報を元に記載していますので、細部に関して認識と異なる部分があるかもしれませんが、その際はぜひ、ご指摘お願いします。
*画像は各学校から抜粋させて頂いています。
付属校を徹底分析に関する他の記事を見たい方は以下を参照お願いします。
日本女子大の付属校は1校。大妻女子大の付属校は4校。
今回は、首都圏の知名度はありつつ、独特のポジションをキープしている女子大学にフォーカスを当てます。
日本女子大学の付属校は、以下の1校のみとなっています。
種別 | 付属校名称 | 偏差値 (日能研基準) |
場所 | 備考 | |
男子 | 女子 | ||||
女子校 | 日本女子大学附属中学校 | – | 50 | 神奈川県川崎市 | 高校入試有 |
大妻女子大学の付属校は、なんと以下の4校もあります。
種別 | 付属校名称 | 偏差値 (日能研基準) |
場所 | 備考 | |
男子 | 女子 | ||||
女子校 | 大妻中学高等学校 | – | 54 | 東京都千代田区 | 高校入試なし |
女子校 | 大妻多摩中学高等学校 | – | 44 | 東京都多摩市 | 高校入試なし |
女子校 | 大妻中野中学高等学校 | – | 41 | 東京都中野区 | 高校入試なし |
女子校 | 大妻嵐山中学高等学校 | – | 38 | 埼玉県比企郡 | 高校入試有 |
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日本女子大学附属は小学校から内部生がいる
日本女子大学の付属校として発足し、小学校からの内部進学者もいつつ、高校からも進学者を募集している学校になります。
1901年 (明治34年) | 日本女子大学校の開校とともに附属高等女学校が開校される。 |
1906年 (明治39年) | 附属豊明小学校・幼稚園が開校される。 |
1948年 (昭和23年) | 附属高等女学校を母体に西生田に附属高等学校(新制)が開校される。 |
1948年 (昭和23年) | 日本女子大学(新制)が発足される。 |
2001年 (平成13年) | 日本女子大学が創立百周年を迎える。 また、附属高等女学校の開校からも100年目を迎える。 |
制服はセーラー服。立地は日本女子大に併設で広大
制服について、伝統的なセーラー服となっています。但し、高校では自由服になるようです。
立地としては、神奈川県川崎市に位置し、小田急線・読売ランド前駅から徒歩10分です。
学校そのものは日本女子大学に併設しており、広大です。中学・高校として、体育館も3つ存在します。
教育環境として小・中・高校で生徒募集され、多様性高い
小学校から110名 中学入試で140名、高校入試で90名ということで中学入試組が多数派という人数構成となります。
項目 | 結論 | 備考 |
クラス | 学年6組で1組当たり42名前後の計252名 | 高校で90名を募集 |
日本女子大への内部進学は約75%
例年、約75%が日本女子大学に内部進学しています。
各学科が附属高校の生徒のために用意する推薦枠の総数は1学年の生徒数を大きく上回っており、希望が特に集中してしまうところを除けば、ほとんどの生徒が第1希望の学科に進学できるというのが特長的です。素晴らしい。
内部進学のハードルはそれほど高くない印象です。
外部進学は併願して受験可
日本女子大学にない8学部(医・歯・薬・看護・獣医・法・芸術・体育)の受験については、日本女子大学との併願制度を設けています。
これに加えて、日本女子大学の志望学科が人間社会学部または理学部の場合、国公立大学および各省庁大学校の受験については、受験学部を問わず併願可能となります(※指定校推薦は除く)。
第一志望である他大学の学部に不合格になったとき、第二志望として事前に希望を出していた日本女子大学のいずれかの学部学科に入学を認める制度となっております。
上記は非常に魅力的な制度と言えるでしょう。
加えて、他大学の推薦枠も多くあるのも魅力的かもしれません。
日本女子大学は長い歴史のある伝統校
関東における女子大御三家(津田塾、東京女子、日本女子)の一角で長い伝統の中で刻まれた歴史とともに就職率の高さも有名なのではないでしょうか。
学部学科として家政学部や人間社会学部がある
基本的に文系/理系は最小限に、そして家政学部、人間社会学部など女子大学ならではの学部学科が設置されています。
一方で、法学部、経済学部、理学部・理工学部・工学部、文理融合系学部、医学部等の医療系に進みたい場合は、別途外部受験は視野に入れる必要があります。
- 文学部
- 日本文学科
- 英文学科
- 史学科
- 理学部
- 数物科学科
- 物質生物科学科
- 家政学部
- 児童学科
- 食物学科
- 住居学科
- 被服学科
- 家政経済学科
- 人間社会学部
- 現代社会学科
- 社会福祉学科
- 教育学科
- 心理学科
- 文化学科
就職先は幅広く大手企業の実績あり
幅広い業界で大手企業への就職実績があります。
単純に偏差値では計れない伝統的な価値によって、継続的な古き良き会社とも人脈・パイプが続いていることにより在校生はその恩恵を受けれる環境なのだと思います。
大妻中学は他大学を目指す進学校
大妻女子大学の直系の付属校。
但し、どちらかというと大妻女子大学というより他大学を目指す進学校と言えるかと思います。
明治41年(1908) | 9月開塾。麹町区(現千代田区)紀尾井町の子爵大島久直大将邸内で、塾生15名でスタート(大妻コタカ24歳)。 |
大正6年(1917) | 校名を「私立大妻技芸学校」とする。現在の千代田校地に移転。校長大妻コタカ。校訓「恥を知れ」、校章、校歌等制定。 |
大正8年(1919) | 「私立大妻実科高等女学校」併設 |
大正10年(1921) | 「大妻技芸学校」と改称。大妻実科高等女学校を改組し「私立大妻高等女学校」(4年制)とする。大妻良馬(大妻コタカの夫)宮内省を退官し学校経営に専念。 |
昭和18年(1943) | 「大妻技芸学校」を「大妻高等女学校」に併合(後に大妻中学高等学校に)。 |
昭和22年(1947) | 大妻中学校設立。 |
昭和23年(1948) | 大妻高等学校設立。 |
昭和45年(1970) | 大妻コタカ永眠(享年85歳) |
平成20年(2008) | 創立100周年を迎える。 |
ちなみに過去に学校説明会に行っており、関連記事に記載しています。
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戦略90)女子校vsシリーズ ~老舗の女学校!香蘭・大妻中学編~
制服はセーラー服。立地としては都心にあり。
制服について、伝統的なセーラー服となっています。
立地としては、東京都千代田区に位置し、JR・市ヶ谷駅から徒歩10分となります。割と終始、平坦な道になります。
教育環境として完全中高一貫
中学入試のみで皆、同じ環境になります。
項目 | 結論 | 備考 |
クラス | 学年7組で1組当たり40名前後の計280名 |
大妻女子大への内部進学は少ない
大妻女子大学への内部進学制度はあるものの、どちらかというと進学校の気質・カルチャーが強いため、利用しているケースは少ないようです。
希望すれば無理ではないというレベル感で捉えれば問題ないかな、と感じます。
外部進学が活発
基本的に進学校として成り立っているため、外部進学をベースとし、多くの方が外部進学をされています。
また、他大学への指定校推薦枠も多い状況です。
大妻多摩も基本的に他大学を目指す学校
大妻女子大学の直系の付属校となります。但し、どちらかというと大妻女子大学というより他大学を目指す進学校と言えるかと思います。
1988年 | 大妻多摩高等学校として開校 |
1994年 | 大妻多摩中学校を設立 |
制服はセーラー服。立地は郊外
制服について、伝統的なセーラー服となっています。
立地としては、東京都多摩市に位置し、京王線・唐木田駅から徒歩7分となります。
教育環境として完全中高一貫
中学入試のみで皆、同じ環境になります。
項目 | 結論 | 備考 |
クラス | 学年4組で1組当たり37名前後の計146名 |
大妻女子大への内部進学は少ない
大妻女子大学への内部進学制度はあるものの、どちらかというと進学校の気質・カルチャーが強いため、利用しているケースは少ないようです。
希望すれば無理ではないというレベル感で捉えれば問題ないかな、と感じます。
外部進学は活発で指定校推薦枠も多い
基本的に進学校として成り立っているため、外部進学をベースとし、多くの方が外部進学をされています。
また、他大学への指定校推薦枠も多い状況です。
この偏差値帯で他大学を視野に入れつつ、最悪、大妻女子大学を押さえるという戦略であれば、十分価値があるかと感じます。
大妻中野は直系の付属校
元々は大妻女子大学系列ではないものの、現在は直系の付属校となります。
昭和16年(1941年) | 財団法人佐藤奨学学園設立認可 理事長佐藤伝吉 文園高等女学校設立認可 |
昭和16年(1941年) | 文園高等女学校開校 城田瓊興校長就任 |
昭和46年(1971年) | 中野女子高等学校と校名変更 内藤誉三郎校長就任 |
昭和46年(1971年) | 法人名を学校法人誠美学園と変更 |
昭和47年(1972年) | 大妻女子大学中野女子高等学校と校名変更 |
平成7年(1995年) | 大妻中野中学校開校 大妻中野高等学校と校名変更 |
平成25年(2013年) | 学校法人大妻学院と合併(存続法人・大妻学院) |
制服はセーラー服。立地としては市街地
制服について、伝統的なセーラー服となっています。
立地としては、東京都中野区に位置し、JR・中野駅から徒歩10分となります。
教育環境として完全中高一貫
中学入試のみで皆、同じ環境になります。
項目 | 結論 | 備考 |
クラス | 学年7組で1組当たり35名前後の計245名 |
大妻女子大学への内部進学は20%以下
大妻女子大学へは例年15〜20%程度が内部進学します。
一方で、他大学への進学も活発のため、特に内部進学に力を入れている印象は有りません。
内部進学については、希望すれば無理ではないというレベル感で捉えれば問題ないかな、と感じます。
外部進学に力を入れている
基本的に進学校として成り立っているため、外部進学をベースとし、多くの方が外部進学をされています。
また、他大学への指定校推薦枠も多い状況です。
この偏差値帯で他大学を視野に入れつつ、最悪、大妻女子大学を押さえるという戦略であれば、十分価値があるかと感じます。
大妻嵐山も直系の付属校
元々は大妻女子大学系列ではないものの、現在は直系の付属校となります。
昭和42年(1967) | 嵐山女子高等学校開校 |
昭和47年(1972) | 校名を大妻女子大学嵐山女子高等学校と改称 |
平成7年(1995) | 校名を大妻嵐山高等学校と改称 |
平成15年(2003) | 大妻嵐山中学校開校 |
平成25年(2013) | 学校法人誠美学園と学校法人大妻学院が合併 |
制服はセーラー服。立地としては埼玉の奥地
制服について、伝統的なセーラー服となっています。
立地としては、埼玉県比企郡に位置し、東武東上線・武蔵嵐山駅から徒歩13分となります。
教育環境として少人数
中学入試組は60名、高校入試組は40名となるので中学入試組がやや多数派となります。
項目 | 結論 | 備考 |
クラス | 学年2組で1組当たり30名前後の計60名 | 高校で40名を募集 |
大妻女子大への内部進学は30%程度
例年、30%程度の方が内部進学で大妻女子大学へ進学されます。
一方で、大妻女子大学への推薦枠は80名以上あるようですので、希望すれば進学出来るようです。多くの方が他大学に挑む文化があるようです。
外部進学は大妻女子大への合格内定を保持したままチャレンジ可
附属校だけに認められる特別推薦入試では、大妻女子大学「合格内定者」の状態のまま、他大学受験に挑戦できます。
この制度を活用して、難関大学に挑戦する生徒が多いようです。
この偏差値帯で考えると非常にお得なのではないか、と思います。
大妻女子大学は中堅女子大
首都圏では知名度がそこそこある中堅女子大学かと思います。
お嬢様から派手目な方まで幅広いイメージはあります。
家政学部が割と有名であり、就職に関しては大手企業は少なく、準大手企業ないし中小企業が中心になろうかと思います。
学部学科として家政学部が有名
基本的に人文学系の学部が充実しており、家政学部が有名です。
一方で、法学部、経済学部、理学部・理工学部・工学部、文理融合系学部、医学部等の医療系に進みたい場合は、別途外部受験は視野に入れる必要があります。
- 家政学部
- 被服学科
- 食物学科
- 児童学科
- ライフデザイン学科
- 文学部
- 日本文学科
- 英語英文学科
- ミュニケーション文化学科
- 社会情報学部
- 社会情報学科
- 人間関係学部
- 人間関係学科
- 人間福祉学科
- 比較文化学部
- 比較文化学科
就職先は準大手企業が中心
幅広くどの分野にも就職している、そんな印象です。
準大手企業を中心に一部の大手企業に就職できるようなポジションになろうかと思います。
古豪の女子大として大手・準大手企業のパイプがある
日本女子大学は聡明で柔軟で大手企業への枠も多いのでなかなかお得な大学かもしれません。
大妻女子大学はリーダーシップと女性らしさの両面を目指した独創的な女性像のイメージがあり、就職先は準大手企業を中心としています。
大学の難易度や偏差値を考慮すると相対的にお得な大学に位置付けられるかもしれません。
日東駒専と呼ばれる大学群との差分で言いますとその大学群よりは上位な印象かと思います。
一方で、大妻女子大学の付属校の場合、他大学受験を前提にしている事からそういう振り切りで中学受験の志望校と捉えれば、非常に良いのではないかと考えます。
(もし、仮に勉強に関してやる気がなくなってきた場合、内部進学という方法も取れる事からお得ではあると思います)
時事ニュースの習得/強化に向けて
最後に本記事とは直接関係ない宣伝となりますが、小学校の低学年の方、及び現在、中学受験真っ只中の方向けの話です。
中学受験では国語での読解力や社会において時事問題が出るケースが多々あります。
そういう情報はもちろん塾でも小学校6年生の終盤に重点的に学習ケースが設けられますが、日々の修練が非常に重要になります。
塾に頼らず、日々の生活の中で時事ニュースや中学受験の過去問題をイラスト付きで触れられ、子供向けとして中学受験の基礎教養を身につくことが出来る方法があります。
それが子供用の新聞です。
中学受験を検討されているお子さんだと小学校低学年から読み出すご家庭も多くいらっしゃいます。
幼い頃から時事ニュースに触れることは読解力向上や社会という知識を基礎的に固めていく上で重要です。
子供用の新聞は、読売KoDoMo新聞と朝日小学生新聞の2種類が有名で発刊部数も1位、2位となっています。
読売KoDoMo新聞は、週刊で気楽に暇な時に読めてリーズナブルな月額550円という価格設定です。
週に1回お試しに利用しようという方にはこの読売KoDoMo新聞をお勧めさせて頂きます。
ちなみに我が家の息子/娘も読んでましたし、今も引き続き購読しています。
既に本などが好きで書籍を読むことそのものに慣れている子供の場合は、毎日新しい内容を学べる日刊の朝日小学生新聞をお勧めします。
どちらもオススメの子供向け新聞で中学受験生の多くの方が購読していますのでぜひ、ご検討を!!
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