あまた多くの中高一貫校が存在すると思いますが、個人的に各偏差値帯においてこの学校はニュートラルに見て、お得と思う学校を以下に記載したいと思います。
ちなみに2019年の日能研の偏差値(男子、女子)を基準とし、偏差値50未満の完全中高一貫校における2019年の現役での大学進学実績をテーマに記載します。
中高一貫校を真剣に考えるシリーズに関する他の記事を見たい方は以下を参照お願いします。
中高一貫校の実力値は現役での大学進学率!
偏差値50未満という事でひとくくりにしましたが、実際には偏差値が40未満、50未満で結構、進学実績は段々と差がある状況であり、より良い環境を目指して頑張ることになろうかと思います。
また各中高一貫校でも特色の違いもあることから入口の偏差値の割に出口となる大学進学実績が良い学校という視点で議論としたいと思います。
なお、基本的に浪人生の実績をカウントするとその学校の実力値がブレるので、現役合格の数字のみにフォーカスを当てます。(調べるほどに浪人総数を入れると実績が良い学校がありますが、それは列挙しませんので、なんで?この学校入ってないの?と思う場合、浪人生の実績をご確認ください。)
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偏差値40以下でお得と思う完全中高一貫校は極めて少ない
何を持ってお得なのかという事で一旦、私自身の個人的な見解として以下と定義したいと思います。
- 出口となる大学実績は2019年のものをベースとし、以下の基準をクリア出来ている。
- 4年生大学の現役合格率が学年の人数に対して、60%以上である。
- 現役合格で国公立が1名以上、早慶上理が5名以上、GMARCHが20名以上、日東駒専が30名以上の合格実績がある。
- 1学年が400名未満である。
- 高校での生徒募集をしていない完全中高一貫校である。
ちなみに過去にリサーチしたことがあるのですが、改めて調べてみると1学年の卒業生が400名以上いるところが結構ありました(学校によっては600名以上・・・)。
ここでいう1学年とは高校卒業時を指します。
中学入試で入学組と高校入試での入学組が混在する学校だと400名以上がポピュラーということが言えますが、そもそも上記の定義の通り、完全中高一貫校という枠から外れるのでいずれにせよ除外対象になります。
ちょっと補足すると上記のような学校は大学実績が人数に対して少ないです。
ある程度実績があっても割合が少ないということでこのような学校へ行っても実績通りに子供が実績が出る可能性が確率論的に相当低いように思いました。
皆さま、学校選択の際は、きちんと高校での生徒募集があるのかどうかを確認し、実績確認した方が良いです。
また元データは各学校で公開されている実績等を元に浪人を除いた現役の人数としても整理の上、列挙し、記載したいと思います。(もし、情報の誤りありましたらご指摘お願いします。)
なお、結論から言いますと驚くほど、上記の定義に当てはまる学校がない・・・。
環境が良いので私立中学というチョイスという考えならば良いかもしれません。うーん、難しい。
調べてわかったのですがこの偏差値帯だと高校からも生徒募集している学校が多かったです。
但し、本来、高校からの生徒募集をしていない学校の方が授業進度が早く、中学受験を経て入学する意義があると思うのでそこはGAPがあります。
とはいえ、高校から生徒募集している学校のほとんどは中学受験組よりも偏差値高く、厳しい高校受験を突破して入学しているのでそういう学校は基本的に高校入学者が大学実績を押し上げていることが大半となります。
学校説明会でもそれを隠すことなく説明されている学校もありました。
そのため、今回、完全中高一貫校のみに絞ったのですが、それによりこの偏差値帯で完全中高一貫校で本当に実績を上げている学校は少ないんだなあ、ということが判ったという状況になります。
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男子校(聖学院)
男子校は高校からも生徒募集する学校も多く、先の定義で当てはめることが難しかったですが、割合・比率を考慮し、以下の学校をピックアップします。
学校名 | 中学 偏差値 | 学年人数 | 現役進学 | 浪人 | 4大現役 合格率 | 国公立 | 早慶上理 | GMARCH | 日東駒専 |
聖学院 | 37 | 106 | 73 | 26 | 70% | 1 | 7 | 25 | 16 |
ちなみに聖学院中学・高校は以下のOBを輩出しており、意外に将棋棋士が他にもいらっしゃいました。
- 渡辺明(将棋棋士、永世竜王・永世棋王資格者)
- 志尊淳(俳優、D-BOYS、D2)中退
- 原田龍二(俳優、タレント)
足立学園、京華中学も当初、ピックアップしていましたが、両校ともに高校からも生徒募集していたことから除外としました。
一方で実績はこの偏差値帯においては良いと思いますので参考までに記載します。
学校名 | 中学 偏差値 | 学年人数 | 現役進学 | 浪人 | 4大現役 合格率 | 国公立 | 早慶上理 | GMARCH | 日東駒専 |
足立学園 | 37 | 364 | 352 | 91 | 69% | 8 | 29 | 58 | 81 |
京華 | 38 | 249 | 150 | 91 | 60% | 8 | 9 | 22 | 50 |
女子校(跡見学園)
女子校の場合、最初に定義した内容とは異なりますが跡見学園は国公立大学の進学実績がたまたま2019年にはありませんでしたが、GMARCH・日東駒専の実績が多かったのでお得ということでピックアップしています。
学校名 | 中学 偏差値 | 学年人数 | 現役進学 | 浪人 | 4大現役 合格率 | 国公立 | 早慶上理 | GMARCH | 日東駒専 |
跡見学園 | 37 | 281 | 249 | 22 | 89% | 0 | 8 | 48 | 47 |
ちなみに跡見学園中学・高校は以下のOBを輩出しております。
- 大渕愛子(弁護士)
- 古内東子(歌手・シンガーソングライター・ピアノ演奏者)
佼成学園女子、捜真も当初、ピックアップしていましたが、両校ともに高校からも生徒募集していたことから除外としました。
共学校(淑徳巣鴨)
共学校は結構あったのですが、意外にマンモス校だったり、最初に定義したお得な学校の定義をクリア出来ない学校が多く、この学校以外、この偏差値群の中では存在しませんでした。
学校名 | 中学 偏差値 | 学年人数 | 現役進学 | 浪人 | 4大現役 合格率 | 国公立 | 早慶上理 | GMARCH | 日東駒専 |
淑徳巣鴨 | 35 | 331 | 248 | 65 | 75% | 9 | 35 | 70 | 83 |
※淑徳巣鴨は高等学校では、中学校から入学した内部進学の生徒と高等学校から入学した外部進学の生徒とでは3年間別クラスになる、併設別クラス型中高一貫校であるため、高校での生徒募集は行うものの定義に違反しないということでピックアップしています。
淑徳巣鴨中学・高校は以下のOBを輩出しております。
- CHARA(歌手)
- 宮前真樹(タレント)
- 原千晶(女優)
偏差値50以下でお得と思う完全中高一貫校も割と少ない
私自身の個人的な見解として以下と定義したいと思います。
- 出口となる大学実績は2019年のものをベースとし、以下の基準をクリア出来ている。
- 4年生大学の現役合格率が学年の人数に対して、70%以上である。
- 現役合格で国公立が5名以上、早慶上理が10名以上、GMARCHが30名以上、日東駒専が50名以上の合格実績がある。
- 1学年が400名未満である。
- 高校での生徒募集をしていない完全中高一貫校である。
偏差値50以下という事で偏差値40以下と条件一緒だとお得という定義から外れてしまうので上記のように差を付けた定義としました。
この偏差値帯ですと女子校については入口の偏差値の割に非常にお得な学校がたくさんある印象です。
男子校(高輪、成城)
条件を満たす学校は意外に少なく、また現役合格率は70%を下回っていましたがそれ以外の項目は基準を大幅に上回っていたため、ピックアップしました。
学校名 | 中学 偏差値 | 学年人数 | 現役進学 | 浪人 | 4大現役 合格率 | 国公立 | 早慶上理 | GMARCH | 日東駒専 |
高輪 | 49 | 220 | 146 | 71 | 66% | 21 | 80 | 98 | 52 |
成城 | 50 | 235 | 154 | 78 | 66% | 11 | 47 | 122 | 92 |
高輪中学については関連記事を書いてますのでご参照願います。
成城中学については以下のOBを輩出しております。
- 丹波哲郎
- 佐藤可士和(クリエイティブディレクター アートディレクター)
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男子校vsシリーズ ~急先鋒の世田谷学園・高輪編~
女子校(東京女学館、田園調布、品川女子学院、清泉女学院など)
今回、日東駒専の人数が当初、定義した人数をクリア出来ていない学校がありますが、早慶上理・GMARCHの数字が大幅に良いことで総計でクリアしていたことからピックアップしています。
女子校は結構、お得な学校が多いと思います。
学校名 | 中学 偏差値 | 学年人数 | 現役進学 | 浪人 | 4大現役 合格率 | 国公立 | 早慶上理 | GMARCH | 日東駒専 |
神奈川学園 | 41 | 173 | 156 | 8 | 90% | 5 | 15 | 76 | 22 |
山脇学園 | 45 | 238 | 210 | 19 | 88% | 5 | 28 | 120 | 60 |
カリタス | 45 | 177 | 148 | 23 | 84% | 8 | 29 | 53 | 20 |
光塩女子学院 | 45 | 139 | 98 | 41 | 71% | 11 | 40 | 66 | 18 |
清泉女学院 | 46 | 174 | 153 | 14 | 91% | 5 | 37 | 43 | 19 |
品川女子学院 | 48 | 222 | 199 | 17 | 91% | 12 | 41 | 118 | 79 |
富士見 | 48 | 230 | 210 | 16 | 93% | 19 | 81 | 198 | 120 |
晃華学園 | 49 | 145 | 115 | 27 | 79% | 15 | 71 | 73 | 12 |
東京女学館 | 49 | 222 | 181 | 37 | 82% | 8 | 65 | 130 | 36 |
田園調布学園 | 49 | 209 | 187 | 20 | 89% | 24 | 72 | 152 | 65 |
山脇学園については以下のOBを輩出しております。
- 朝丘雪路(女優・歌手)
- 鈴木その子(美容研究家)
- 長谷川町子(漫画家)
- 貫地谷しほり(女優)※中退
- 山口恵梨子(将棋女流棋士)
- 山本里菜(TBSアナウンサー)
光塩女子学院については以下のOBを輩出しております。
- 大杉君枝 – アナウンサー
- 菊間千乃 – 元アナウンサー、弁護士
清泉女学院については以下のOBを輩出しております。
- 関谷亜矢子 – 元日本テレビアナウンサー
- ますい志保、さくら – 銀座の高級クラブ「ふたご屋」のママ・作家 / 高等学校中退
- 村主章枝 – フィギュアスケート選手
- 桐島洋子 – エッセイスト ノンフィクション作家/中学校卒業
- 美馬怜子 – モデル・タレント
品川女子学院については以下のOBを輩出しております。
- 島倉千代子 – 歌手(中学のみ)
- 広末涼子 – 女優(高校のみ)
- 大石恵 – タレント
- 八木沼純子 – スポーツキャスター、元フィギュアスケート選手
- 桜田淳子(中学2年〜高校1年生まで)
- 山口百恵 – 元歌手(中学のみ)
富士見については以下のOBを輩出しております。
- 宮澤智(フジテレビアナウンサー)
昇華学園については以下のOBを輩出しております。
- 松尾翠 – フジテレビアナウンサー
東京女学館については以下のOBを輩出しております。
- 夏目雅子 – 女優
- SILVA – 歌手
- 寺田理恵子 – 元アナウンサー
- 浅田美代子 – 高等学校中退
- あびる優 – 中学中退→堀越学園へ転入
神奈川学園やカリタス、田園調布学園は関連記事を書いてますのでご参照願います。
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女子校vsシリーズ ~国際教育のカリタス・神奈川学園編~
共学校(森村学園、公文国際、穎明館)
共学校について、高校からの生徒募集している学校も多かったため、以下の通り、3校のみをピックアップしました。
日東駒専の実績は多くないですが早慶やGMARCHの実績が良いことからピックアップしています。
また、穎明館は現役合格率は70%を下回りましたが、国公立・早慶やGMARCHの実績が良いことからピックアップしています。
学校名 | 中学 偏差値 | 学年人数 | 現役進学 | 浪人 | 4大現役 合格率 | 国公立 | 早慶上理 | GMARCH | 日東駒専 |
穎明館 | 45 | 193 | 128 | 61 | 66% | 29 | 85 | 100 | 46 |
公文国際 | 49 | 149 | 125 | 22 | 84% | 31 | 83 | 138 | 25 |
森村学園 | 49 | 185 | 154 | 28 | 83% | 14 | 54 | 115 | 31 |
穎明館については以下のOBを輩出しております。
- 一ノ瀬颯 – 俳優
公文国際については以下のOBを輩出しております。
- 大村周平(ルービックキューブ世界大会優勝者)
- 小原裕貴(元ジャニーズJr.)
森村学園については以下のOBを輩出しております。
- 松本伊代 (タレント)〔中等部〕
- 一青窈(歌手・作詞家・女優)
- 安藤裕子(歌手・作詞家・女優)
- May J.(音楽家、歌手、DJ,MC(J-MELO: NHK))
- 大橋マキ(元フジテレビアナウンサー)
- 高橋祐也(元歌手・俳優・タレント)〔中等部〕〔高等部退学処分〕
ちなみに山手学院、青稜は、高校からも生徒募集しているということでピックアップしませんでしたが参考までに以下に記載します。
山手学院はほとんどが高等部出身の子が進学実績を伸ばしていると中学の学校説明会でおっしゃっており、また人数も多いことから確率論的に中等部から行ってどうなるかはなんとも言えません。
また、桐蔭学園中等教育学校は現役率が50%未満ということでピックアップしませんでしたが参考までに以下に記載します。浪人生を内数に入れると実績は良いです。この学校に行く場合は、浪人覚悟で行った方が良いです。
学校名 | 中学 偏差値 | 学年人数 | 現役進学 | 浪人 | 4大現役 合格率 | 国公立 | 早慶上理 | GMARCH | 日東駒専 |
山手学院 | 48 | 467 | 387 | 76 | 83% | 49 | 201 | 375 | 156 |
青稜 | 48 | 342 | 275 | 60 | 80% | 20 | 100 | 190 | 70 |
桐蔭中等教育 | 50 | 151 | 66 | 86 | 43% | 14 | 80 | 34 | 22 |
山手学院と桐蔭学園中等教育学校は学校説明会に私自身参加していますので、興味ありましたら、ぜひ、関連記事をご参照お願いします。
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共学校vsシリーズ ~午後の切り札!桐蔭中等教育・山手学院編~
50以下の完全中高一貫校でも、お得な学校は存在する
今回、改めて調べてわかったことは偏差値40以下で完全中高一貫校だと選択肢が少ないです。
もちろん、進学実績にこだわらなければたくさん学校ありますが、実績にこだわると選択が難しいということを痛感しました。
次に偏差値50以下で完全中高一貫校もピックアップ条件が厳しすぎるのか分かりませんが実績ベースにすると思いの外、少なかったです。
なお、今回、私自身の勝手な見解をベースとし実績面で一定基準を設けて、その基準以上でピックアップを行いましたが、その基準は各ご家庭で異なると思いますし、教育方針や設備面等を考慮して最終判断になろうかと思います。
実績部分はあくまで参考までであとはどのような学校で中高の6年間を過ごすことがベストなのかをイメージして志望校を検討することが大事だと思います。
時事ニュースの習得/強化に向けて
最後に本記事とは直接関係ない宣伝となりますが、小学校の低学年の方、及び現在、中学受験真っ只中の方向けの話です。
中学受験では国語での読解力や社会において時事問題が出るケースが多々あります。
そういう情報はもちろん塾でも小学校6年生の終盤に重点的に学習ケースが設けられますが、日々の修練が非常に重要になります。
塾に頼らず、日々の生活の中で時事ニュースや中学受験の過去問題をイラスト付きで触れられ、子供向けとして中学受験の基礎教養を身につくことが出来る方法があります。
それが子供用の新聞です。
中学受験を検討されているお子さんだと小学校低学年から読み出すご家庭も多くいらっしゃいます。
幼い頃から時事ニュースに触れることは読解力向上や社会という知識を基礎的に固めていく上で重要です。
子供用の新聞は、読売KoDoMo新聞と朝日小学生新聞の2種類が有名で発刊部数も1位、2位となっています。
読売KoDoMo新聞は、週刊で気楽に暇な時に読めてリーズナブルな月額550円という価格設定です。
週に1回お試しに利用しようという方にはこの読売KoDoMo新聞をお勧めさせて頂きます。
ちなみに我が家の息子/娘も読んでましたし、今も引き続き購読しています。
既に本などが好きで書籍を読むことそのものに慣れている子供の場合は、毎日新しい内容を学べる日刊の朝日小学生新聞をお勧めします。
どちらもオススメの子供向け新聞で中学受験生の多くの方が購読していますのでぜひ、ご検討を!!
コメント
森村学園、桐蔭中等、穎明館、桐光学園
この辺りの偏差値50前後〜45前後で進学実績の良い学校の比較をお願いしたいです。
以下、出口となる大学で偏差値45〜50前後の学校群がおっしゃる進学実績が良い学校と言えるかと思います。
ご確認下さい。特に全体人数比に対してどうなのかに着目した方が良いと思います。