中学受験ではよく伝統校と新興校の話が出ます。
今回は、伝統校/新興校をテーマに記載します。
首都圏に在宅のジジ・ババは古き良きで当然ながら伝統校大好きでタワーマンションお住まいで特に地方出身の方は首都圏内の過去の序列など知らないので新興校とか気にせず、実利でチョイスする傾向があるらしいです。
我が家の場合、私が首都圏出身なのでどちらかというとジジ・ババと同じような考え方にはなりますね。
子供にとってどっちが良いのか等の議論はそのあとですね。
あなたはどっち派?に関する他の記事を見たい方は以下を参照お願いします。
伝統校の定義について
伝統校の定義というのは人によっては認識が異なる場合もあります。
そこで当サイトでは以下を伝統校と定義します。
- 誰もが認める古豪。
- 30年近く一定の水準の偏差値を保っている。(短期間に急浮上した学校ではない)
- 数多くの著名な卒業生を輩出している。
*なお、付属校は基本的に古豪で継続的な人気も誇っており、この定義に含めるとどこまでを含めるべきか曖昧になることから伝統校の枠から除外して論じます。
*国公立の中高一貫校について継続的な人気を誇りつつ、国公立ゆえに国の運営上、私立中学のような独自のカルチャーを持っているわけではないので伝統校の枠から除外して論じます。
代表的と思われる伝統校と呼ぶことが相応しい学校群を以下に記載します。
(ちょっと違うのでは?と思う方は、こちらへご連絡下さい。)
◆代表的な男子校としての伝統校
- 御三家(開成、麻布、武蔵)
- 新御三家(駒場東邦、海城、巣鴨)
- 神奈川御三家(栄光学園、聖光学院、浅野)
- 芝、本郷、桐朋、暁星、城北
- 鎌倉学園、サレジオ学院
◆代表的な女子校としての伝統校
- 女子御三家(桜蔭、雙葉、女子学院)
- 神奈川女子御三家(フェリス、横浜共立、横浜雙葉)
- 吉祥女子、鴎友学園、頌栄、普連土学園
- 香蘭、東京女学館、光塩女子、カリタス
- 鎌倉女学院
◆代表的な共学校としての伝統校
- 市川中学校、東邦大学付属東邦中学校
こう定義すると多いようで少ない気がしますが、長い歴史を持ちつつ、この基準をクリアしている学校という意味でまさに伝統校と言えるでしょう。憧れます。
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伝統校の良いところ/気になるところ
我が家の息子は伝統校に通っています。中学一年生の際に実際に色々思うことがありました。
今今でとても印象的だったのが入学式の時の理事長やOBの方々等の言葉です。
–入学式(理事の挨拶)——>
(* ゜∀゚)←我が家の息子の学校のエライ人々(理事長)
「生徒の皆様、非常に厳しい中学受験の中で勝ち抜いて難関となっている我が校へのご入学、誠に御礼申し上げます。」
(;๏д๏)←パパ(自分)
心の声:(え??ソレ、自ら言う???)
–入学式(在校生父母代表の挨拶)——>
(! ゜∀゚)p ←我が家の息子の学校のエライ人々(卒業生であり、在校生父母代表のおじさん)
「私は第XX回生の卒業生であり、君たちと同じように本学で学びました。今、私の息子は第YY回生として高校3年に在席しています。本学は非常に素晴らしい環境が整っているので是非、勉強にスポーツに励んで欲しい。」
(;๏д๏)←パパ(自分)
心の声:(おー!?父母代表もOB!?親子二代で通ってんだ!)
–入学式(第一回生OB代表の挨拶)——>
(ृ ु ´灬`)ु ←我が家の息子の学校のエライ人々(第1回生の卒業生代表のお爺ちゃん)
「私は第1回生の卒業生です。生徒諸君、ここに今日入学出来ているのは全て皆様方の親のおかげです。自分達の母親・父親に感謝をしなさい。」
(;๏д๏)←パパ(自分)
心の声:(おー!?一回生!?お爺ちゃん、登壇してるけどダイジョブか。家で休んだ方が・・・)
–入学式(卒業生保護者で構成される支援会の会長の挨拶)——>
( ” ゜∀゚)w ←我が家の息子の学校のエライ人々(卒業生の息子を持つ母親で集う学校の支援会の女性会長)
「私達は既に息子が本学を卒業済みですが、本学が名門であり続けるために我々は支援し続けます。」
(;๏д๏)←パパ(自分)
心の声:(えー!?やっぱり、自分達で名門って言っちゃう!?卒業生の保護者で結成された支援会あるの??卒業しても支援し続けるってマジか。)
てな感じで驚きが多い入学式でした。(入学式での内容は全て事実でございます。)
うーん、ザッツ・伝統校とは長い歴史の中で支えてくれる人が多いんだなあ、と感慨深く実感した出来事でした。
実際に通ってみて思う伝統校の特色や良いところを整理して記載すると以下の通り。
- 既に過去の長い歴史の中で教育メソッドや文化が完成されており、それに準じて安定したパフォーマンスで行事や学業を遂行する。
- 卒業生は母校を愛し続けているし、社会人になっても母校をはっきり自信を持って言える。
上記が全てのように思います。
ちなみに超難関校ではないですが、巣鴨中学は、寒中水泳や夜中の山登りなど「魁・男塾」さながらのカルチャーを今でも保有しているし、桐朋においては一橋大学付近である並木道の中で自主性を育み、独自教材による学習プログラムが長年の歴史の中で培われ教育されているようです。
開成や駒場東邦は、各学年の中でクラス関係なく個人ごとに色分けし、6年間先輩・後輩問わず同じ色で体育祭等を行う中で縦(先輩・後輩)の繋がりを強くし、卒業してもその色などの話で盛り上がる程、男同士の結束が強くなるようです。
また母校愛も強く、社会人になっても上記の学校の人々は母校に対して誇りもあり、自分の子供も母校に入れたいという思いが強いように思います。
これって実は良いな、羨ましいな、と思っています。
私自身、正直、母校愛なんて全くないので出身高校聞かれても正直答えないことの方が多いですね。。
加えて、卒業生・OBの繋がりも強いのもスゴイです。
私の会社であるキックオフに参加した際、新卒の子も居た時に後輩が皆、浅野中・高出身者(ちなみにたまたま皆、慶應大卒)で「君、浅野卒なんだってね、僕らもだよ」と後輩達とその新人で話をしているのを横で聞いていました。
大学ではなく、中高の繋がりで喋るってスゴイな、と感じました。
中学・高校の6年間は非常に色濃い思い出も多いし、中・高の方が入る人数が限られるので大学が一緒というよりも親近感が強くなるのだと感じました。
逆に気になるところはというと。
- 自主自律をうたう学校は、ほったらかし感が半端ない。
- 保守的/管理型の伝統校はガチガチ。
もうカルチャーが完成されているということが大きいと思いますが、例えば、我が家の場合は、学校の帰りに買い食いしようが何しようが何にも校則で縛りもなく、怒られることもなく、思った以上に自由過ぎる、という印象。
部活にも顧問の先生来ないし。何か事故あった時どうするんじゃ、と思うけども、今までも事故がないので高校生に監督を任せている、というところでしょうか。
うーん、それって子供に責任転嫁しすぎではないか、と心配にもなったりします。逆に子供達がしっかりして来るのも事実ですが。
一方で保守/管理型の伝統校に通っている友達に聞くと、宿題や補習は半端ないし、連絡事項もメール等でバンバン来るし、で徹底的過ぎるとか。
総合的に考えるとやはり伝統ある学校は、その伝統によって、もたらされている文化や人脈などを存分に享受されるので非常に魅力的だと思います。
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新興校の定義について
先ほどの伝統校の定義を踏まえ、当サイトでは以下を新興校と定義します。
- ここ30年近くで偏差値や人気が急浮上している。
- 元々は別の学校名であり、まだ歴史が浅い。
- 元々は女子校だったが、共学化等により刷新されている。
*なお、付属校、国公立の中高一貫校は、先に挙げた理由で新興校の枠から除外して論じます。
代表的と思われる新興校と呼ぶことが相応しい学校群を以下に記載します。
(ちょっと違うのでは?と思う方は、こちらへご連絡下さい。)
◆代表的な男子校としての新興校
- 逗子開成、世田谷学園、高輪
◆代表的な女子校としての新興校
- 豊島岡、洗足学園、浦和明の星女子
- 品川女子学院
◆代表的な共学校としての新興校
- 渋谷教育学園渋谷、渋谷教育学園幕張、栄東
- 広尾学園、三田国際学園、開智日本橋
- 公文国際、桐蔭
古豪だけどここ最近で急激に実績を挙げてきている学校、もしくは、女子校からのリニューアルした学校や新設した学校群が新興校として名を連ねている印象です。
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新興校の良いところ/気になるところ
私の中での新興校の筆頭は何と言っても、渋谷教育学園渋谷ですね。。。
あそこは私が高校生の頃、渋谷女子という女子校で略してシブジョと呼ばれていました。
当時、コギャル全盛でパー券が流行ったり、スケーターが流行った時代でシブジョの女の子と遊んだことありましたが、まあ、こう言っちゃなんですがノリが最高で楽しいのですが「頭は相当悪い」という印象しか残ってないですね。。
そんなシブジョがいつのまにか、渋渋と呼ばれ、超難関校になっているのを息子の中学受験で初めて知ってとても驚きました。
今では文化祭を見に行ったママ友の様子を聞く限り、英語がかなり飛び交っていて、国際感の強い学校に様変わりしているようですので教育指針そのものが大きく変化して身を結んだのだと思います。
そう言った意味では洗足学園女子も同じように偏差値も低い学校でしたが、あそこは校名を変えるわけではなく、色々と教師の品質を上げて行った結果、進学実績も大幅に伸び、今に至っているようです。
保護者が教員を評価する仕組みがあるようで割と教員の入れ替わりは多いようですが・・・。
うーん、いずれにせよ、学校改革ってスゴイと実感します。
世田谷学園や逗子開成は古豪で昔からありましたが、どちらかというと卒業生がまばらかに大学進学するような学校でした。現在、東大へも合格も毎年出てますが、全くもって信じられない、という印象。
上記のいずれの学校も学校経営者が若干、変更になって、文化そのものも変化を繰り返し、地道に実績は積み上がってきた学校だと思います。
新興校の特色や良いところを整理すると以下の通りと思います。
- 国際色(語学教育)、アクティブラーニング、進学実績のいずれかをウリに先進的な取り組みを実施している。
- 最新設備を完備しており、校舎が綺麗。
- 生徒だけでなく、教師への品質向上などにも取り組んでいる。
- 医進サイエンスコースやインターナショナルコースなど各種コースをいくつか設けて多面的な実績作りを実施している。
上記をまさに上手く体現しているのが、旧・順心女子学園と呼ばれていた広尾学園だと思います。
広尾学園の理事長だった大橋清貫がさらに三田国際学園で校長を現在勤めており、改革を推進しています。実質倍率が5倍〜10倍弱という狭き門となっています。
逆に気になるところについて
- 先生・学校含め学校運営としての実績が短くナレッジがないので、安定的な教育指導ではなく、目の前のスキルアップに終始している。
- 錬金術のような施策がどこまで時代にミートし続けられるのか不明であり、いずれ時代が変わった時に沈む可能性がある。
かつての新興校として桐蔭学園は文武分業のもと進めており、東大合格者も大量に出して、全国の東大合格ランキングにも名を連ねていました。
とはいえ、1学年が1,000名近くいた中での母数なので、パーセンテージで見るとかなり少なかったのですが。
その桐蔭も苦戦を続け、最近、改めて桐蔭中等教育学校として再スタートを切っています。改めて実績が出始めていて再復帰し始めた印象です。
つまり、新興校は、伝統がない分、生徒を集めるべく、今の時代のニーズを見つけ、今の時代にとってのベスト(最善の施策)で勝負し、とてもキャッチーでプロモーションも上手く実施して、生徒及び保護者を魅了しているように思います。
新興校はビジネス視点が強く、いかに生徒を集めるために魅力的な授業スタイルにするか、どのようにアピールしていくか、という観点を軸に構成されているように思います。
伝統校と新興校の目指す志向
伝統校は長い歴史で築いた文化、行事、そして、人脈などを代々受け継いで、
いつの時代も変わらない大切なことをその長年培われた教育の現場として存分に享受される指導・教育を行われており、
進学実績も安定的に有名難関大学に卒業生を輩出し続け、OBからずーっと愛される学校となっていると思います。
一方で新興校は、今の時代で子供達にとって身につけるべき教育の最優先分野を体得させるべく設備・環境を整えて、
資格取得や経験、海外大学などの活路を見出し、時に先生・教師にも強いプレッシャーを与えて、
生徒に対して魅力的な授業や学業環境を提供している学校と言えるかと思います。
私自身は古い人間かもしれませんが、人間教育で本当に大切なことって普遍的な気がしており、それを長い期間でノウハウ化している伝統校はその伝統校に入学しない限り、学ぶことが出来ない貴重な体験のように思っています。
新興校でやっている内容は実は大学や社会人になっても十分間に合う内容で先取り教育をしているようにも思います。
新興校で得られるスキルってコースにもよるかもしれませんが、英語や医療などを先回りした高等学校までのかなり特化した専門的知識といういわゆるハードスキル*を養う方向で感じています。
伝統校で得られるスキルって勉強面をクローズアップされがちですが、実際にはソフトスキル*なのではないか、と感じています。
*経済学、統計学、会計、ファイナンス、戦略という、体系立った知識はハードスキルと呼び、これに対してコミニケーション力、交渉力、リーダーシップ、ストレス耐性を含めたメンタル力などの、自己および対人関係に関するスキルはソフトスキルと呼ばれます。(日本プロジェクトマネジメント協会より引用)
つまり、目先で得られるハードスキルを得たいなら新興校で、もうちょっと勉強だけでは得られないようなソフトスキルを得たいなら伝統校というような気がします。
実際どうなのか、分かりませんが、私はそんな気がします。いかがでしょうか?
(出来る限り、ニュートラルに記載してみましたが伝統校に寄り過ぎた考えた方になってしまってますかね。。一応、事実をベースに述べてみましたー。)
自宅での事前学習の強化に向けて
最後に本記事とは直接関係ない宣伝となりますが、幼児(年少・年中・年長)、小学校の低学年の方向けの話です。
本来であればこちらに記載の通り、我が家では公文を実施していたのでそれを押したいのですが
コロナ禍の昨今、密を避けて自宅学習が非常に重要になります。
一方で我が家の子供達の同世代で勉強の出来る塾友にて結構な確率で事前学習で活用していた通信教育がありました。
それがZ会 幼児コース 、及びZ会 小学生向け講座です。
中学受験を目指している塾通い前の幼児、及び、小学校低学年のご家庭に対して、
コロナ禍の昨今、密を避けて自宅学習可能なZ会 幼児コース 、及びZ会 小学生向け講座をお勧めさせて頂きます。
ちなみに中学受験を目指す際、何か事前学習をさせておくことはより上位の学校に行きたい場合、必要な事柄だと思います。
事前学習においてはこの記事にて塾の上位者の利用していた学習教材・方法を載せてますが
その中でもZ会 幼児コース 、及びZ会 小学生向け講座は押せます。
資料請求に関しては当然ながら完全無償ですので一度、 資料請求の上、検討して頂くことをご提案します。
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