入試当日は色々な偏差値帯の中学受験生が入り乱れて各学校に散って「いざ、尋常に勝負!」ということでその中学に入学するために合格を奪い合うまさに国取りのように合戦が繰り広げられます。
一方でやはりそれぞれの入試会場である学校にはそれぞれの入試日でそれぞれの戦略の下、人が結集します。
そこで今回は入試の際にどんな偏差値帯の子供がどんな戦略で入試を挑んでいたりするのかの過去実績を考慮しつつ、今後の入試における戦略に役立てて頂ければと考えています。
まさに入試における傾向に着目して戦国時代のテイストで遊び心も交えつつ、入試戦略をテーマに記載します。
なお、我が家の周りでは中高一貫の男子校のユースケースが多いので基本的にはそれベースで記載します。
中学受験を通じて気づくことに関する他の記事を見たい方は以下を参照お願いします。
入試の日程ごとの合戦における難易度
首都圏内の前半戦である2/1〜3、そして後半戦の2/4〜5でも戦い方が色々と違うように思います。
その中で2019年に受験を通じて気づく傾向が有り、普遍的な部分を中心に記載をして行きたいと思います。
特に我が家の場合、男子校を中心に受験していたのでそこが一番リアリティがあると思います。
一方で塾友等含め色々なケースを聞いているので一旦、偏差値をベースに以下の通り、整理して前提をおいて戦国時代風に表現/記載をしてみたいと思います。
難易度 | 合戦仮称 | 概要 | 偏差値目安(日能研基準) | 備考 |
S | 惜我腹(せきがはら)の戦い | 実質の頂上決戦。敗れる時は惜敗。 勝つ時は薄氷の勝利。天下分け目の戦い。 主に2/1、2 | 60以上 | 開成、聖光学院、渋幕、筑駒など |
A | 長死宣(ながしの)の戦い | 午後の決戦。圧倒的な武器を持っている者と持たざる者の仁義なき戦い 主に午後入試 | * (*午後偏差) | 広尾学園、鎌倉学園、巣鴨、世田谷、高輪など |
B | 何時来島(いつくしま)の戦い | 第一希望として勝負する者と滑り止めとして難度S相当の実力者との合戦 主に2/2、3 | 55以上 | 芝、サレジオ学院、本郷、城北、鎌倉学園、逗子開成など |
C | OK挟間(オッケーはざま)の戦い | 入試日によっては勝ち切れるが飛び込む日を誤ると敗戦濃厚とまさに狭間の戦い 2/2以降 | 50以上 | 巣鴨、攻玉社、世田谷、三田国際など |
D | 死万十我輪(しまんとがわ)の戦い | ここを第一希望として勝負する者と戦いに負け続けた者との最終決戦 2/4以降 | 50未満 | * |
惜我腹(せきがはら)の戦い+α
基本的にこの戦いにおいて奇跡の勝利はありません。
言いたいことはそれ相応の剣豪が集います。
ここで勝利を納められる可能性があるのは持ち偏差でほぼほぼ偏差値において差分が3〜5足りないケースくらいかと思います。
逆に偏差値が足りていても余裕で不合格となり得るのがこの戦のコワイところです。
(ゆえに腹決めして突っ込んで惜しい戦いが繰り広げられ、我に返るという事で惜我腹の戦いと仮称します。)
「えー!合格したの!?」というケースは皆無で「えー!あの人が落ちたのー!」はザラです。さすが惜我腹の戦いです。
それを見越して、”長死宣(ながしの)の戦い”に突入していくわけですがそれは後述。
特に2/1に開成、麻布、武蔵、駒場東邦、海城などを受験し、2/2に栄光学園、聖光学院、本郷、渋渋、渋幕などを受ける剣豪についてかなりの数がいると思います。
普通にこの組み合わせで全落ち率は高いですが、このレベルの剣豪になると勝負をすべき度胸もあるので突っ込む方が多いと思います。
更に2/3に筑駒、海城、浅野などに連続投球して行きます。
ここで大半の方がどこかに引っ掛かる(合格を頂くケースが多い)のですが、ここで不合格を3タテで食らってしまう方々も少数ながらいます。
そこで2/4-5に芝やサレジオ学院、城北、巣鴨、鎌倉学園、逗子開成などの”何時来島の戦い””OK挟間の戦い”に突入し、合格を確実に勝っさらっていき、戦いが終了する群衆となります。
この偏差値帯での戦いは、安全校を後ろに持っていくのが基本的な傾向です。
つまり、後ろにある高偏差値帯の中学は前半戦に破れたけれど、優秀な剣豪が立ち向かっていくことになります。
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長死宣(ながしの)の戦い
この戦いは算数一点挿しの勝負なのか、2科ないし4科目での勝負なのかで議論が別れます。
理由としては、まず、2科、4科だと1科目が失敗しても他科目でリカバリーが出来ます。
それに対して算数選抜と呼ばれる1点挿しの勝負だとケアレスミスをした時点でノーマネーでフィニッシュです。
算数選抜の場合、1科のみなのでちょっとのミスで死の宣告がなされます。
(ゆえに死の宣告の後に長い沈黙となる戦いという事で長死宣の戦いと仮称します。)
またこの午後に飛び込んでくる剣豪はそれなりに強い武器を持った剣豪ばかりなので横綱相撲で勝負できるくらいの実力者でないと即死する戦いになります。
圧倒的な勝利が出来るようなコンディションであればTryする価値はあります。
ただ、腕慣らしや微かな望みを掛けて挑む場合、死にに行くようなものなのでそんな愚かなことは止めましょう。
受験費用も馬鹿にならないのでその費用で美味しいものを食べた方が相当に有意義です。
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何時来島(いつくしま)の戦い
このゾーンで重要なのは2/1、2です。
というのは、2/1は多くの強き剣豪が”惜我腹(せきがはら)の戦い”で抜けます。
つまり、相当強い剣豪がいない中での勝負になります。
もちろん、2/2に栄光・聖光などを受ける神奈川県勢の場合、2/1にこのゾーンでまずは勝ち星を上げてくる武将もいます。
ただ、全体の動きを取ら巻いて考えると2/1が一番空きが出ると思います。
逆に神奈川県勢以外だと2/2も別途散り散りで勝負するので戦いとしてはそれほど分は悪くありません。
一方で、2/3、4、5の場合、多くの”惜我腹(せきがはら)の戦い”を経験した武将が本気で押さえに掛かって来るので、この期間でこのゾーンの偏差値帯を第一希望にしている武将にとっては格上と当たるのでかなり分が悪くなります。
(ゆえに臨戦態勢の中で合格を奪い合い、何時のときかその合格という島を奪う場面が来る戦いという事で何時来島の戦いと仮称します。)
この戦いを勝ちに握りたい人は、2/1、2を取りに行くことがベストな戦略だと思います。
OK挟間(オッケーはざま)の戦い
このゾーンで超重要なのは2/1です。
というのは、2/1は多くの強き剣豪が”惜我腹(せきがはら)の戦い”何時来島(いつくしま)の戦い”で合戦をしています。
つまり、相当強い剣豪がいない中での勝負になります。
2/1が明らかに一番空きが出ると思います。
一方で、2/2、2/3、4、5の場合、多くの”惜我腹(せきがはら)の戦い”等を経験した強い武将が本気で取りに来るのでこの期間でこのゾーンの偏差値帯を第一希望にしている武将が合戦を挑む場合、格上ばかりなので負け試合になる可能性が高い中での戦いになります。
(ゆえに合格状態とも言えるOKになる狭間で戦い合うという事でOK狭間の戦いと仮称します。)
この戦いで勝ちを握りたい人は、2/1を取りに行くことがベストな戦略だと思います。
死万十我輪(しまんとがわ)の戦い
ここは総論で言いますと無理せず、手堅く自分の持ち偏差に近しい希望する学校を2/1、2/2で押さえることが最重要です。
各戦いに破れた剣豪が2/3以降は落下傘型でどんどん来ます。
合戦が後ろになればなるほど負け続けているけれどもこのゾーンの方々から見たら強き武将とガチンコ勝負になるのでほぼほぼ勝てません。
(偏差値50前後のゾーンは万と存在しつつ、我々の子供とほぼ点数が変わらない人が十人はいる輪の中で合格を巡って戦い合うという事で死万十我輪の戦いと仮称します。)
ぜひ、先手必勝で勝ちを握りに行きましょう。
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入試という国取り合戦のおさらい
各偏差値帯で悩みは多いと思いますが、振り返ってよく考えてみると繰り上がり合格もそうなのですが、結局のところ、落下傘型で上位の学校に溢れた人が次の下位の学校を握りに行く傾向が強いです。
これは今後も続く揺るがない確固たる傾向だと思います。
逆を言うと後半になればなるほど、持ち偏差値は高いけれど難度の高い学校を落ち続けた猛者とぶつかり合うことになります。
2/4、5にもつれ込むほど、かなり中学受験の場として苦しくなることを意味します。
よって、このピラミッド上の偏差値ヒエラルキーの中で希望の学校にきちんと合格する一番の近道はとにかく強豪となる敵が一番少ない早めである2/1、2のいずれかで合格を頂くことが大事だと思います。
ぜひ、中学受験をこれからする皆様、上記を心得て頑張ってください。
時事ニュースの習得/強化に向けて
最後に本記事とは直接関係ない宣伝となりますが、小学校の低学年の方、及び現在、中学受験真っ只中の方向けの話です。
中学受験では国語での読解力や社会において時事問題が出るケースが多々あります。
そういう情報はもちろん塾でも小学校6年生の終盤に重点的に学習ケースが設けられますが、日々の修練が非常に重要になります。
塾に頼らず、日々の生活の中で時事ニュースや中学受験の過去問題をイラスト付きで触れられ、子供向けとして中学受験の基礎教養を身につくことが出来る方法があります。
それが子供用の新聞です。
中学受験を検討されているお子さんだと小学校低学年から読み出すご家庭も多くいらっしゃいます。
幼い頃から時事ニュースに触れることは読解力向上や社会という知識を基礎的に固めていく上で重要です。
子供用の新聞は、読売KoDoMo新聞と朝日小学生新聞の2種類が有名で発刊部数も1位、2位となっています。
読売KoDoMo新聞は、週刊で気楽に暇な時に読めてリーズナブルな月額550円という価格設定です。
週に1回お試しに利用しようという方にはこの読売KoDoMo新聞をお勧めさせて頂きます。
ちなみに我が家の息子/娘も読んでましたし、今も引き続き購読しています。
既に本などが好きで書籍を読むことそのものに慣れている子供の場合は、毎日新しい内容を学べる日刊の朝日小学生新聞をお勧めします。
どちらもオススメの子供向け新聞で中学受験生の多くの方が購読していますのでぜひ、ご検討を!!
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