中高一貫校を真剣に考える　〜偏差値60未満編〜

あまた多くの中高一貫校が存在すると思いますが、個人的に各偏差値帯においてこの学校はニュートラルに見て、お得と思う学校を以下に記載したいと思います。

ちなみに2019年の日能研の偏差値(男子、女子)を基準とし、偏差値50以上で60未満の完全中高一貫校における2019年の現役での大学進学実績をテーマに記載します。

中高一貫校の進学状況が良くなる反面、浪人率も高まる傾向

偏差値60未満という事でひとくくりにしましたが、実際には偏差値が50−54、55−59で結構、進学実績は差がある状況です。

加えて、合格するにしても強敵も存在するボリュームゾーンのため、非常に際どい戦いになる偏差値帯と思います。

また各中高一貫校でも特色の違いもあることから入口の偏差値の割に出口となる大学進学実績が良い学校という視点で議論としたいと思います。

なお、基本的に浪人生の実績をカウントするとその学校の実力値がブレるので、現役合格の数字のみにフォーカスを当てます。（調べるほどに浪人総数を入れると実績が良い学校がありますが、それは列挙しませんので、なんで？この学校入ってないの？と思う場合、浪人生の実績をご確認ください。）

この偏差値帯から早慶含めた超難関大学に挑戦できる領域になってくることから浪人率も高まってくる傾向が高い状況。

 

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偏差値50以上55未満でお得と思う中高一貫校は結構ある反面、浪人率高い

何を持ってお得なのかという事で一旦、私自身の個人的な見解として以下と定義したいと思います。

• 出口となる大学実績は2019年のものをベースとし、以下の基準をクリア出来ている。
  • 4年生大学の現役合格率が学年の人数に対して、70%以上である。
  • 現役合格で国公立が10名以上、早慶上理が40名以上、GMARCHが50名以上、日東駒専が50名以上の合格実績がある。
• 1学年が400名未満である。
• 高校での生徒募集をしていない完全中高一貫校である。

男子校（世田谷学園、攻玉社）

この2校は最近、倍率も急上昇気味で偏差値も上がり気味ですがそれに裏打ちされるように実績を上げています。
（2020年11月追記）世田谷学園、攻玉社、巣鴨に関しては、当時よりも偏差値がグンっと上昇しています。一方で進学実績は大きな差分は生じていない認識ですので、その観点で参照お願いします。

両校は日東駒専の合格数が少ないですがそれをカバーするくらい上位大学に合格していますのでピックアップしています。

学校名	中学 偏差値	学年人数	現役進学	浪人	4大現役 合格率	国公立	早慶上理	GMARCH	日東駒専
世田谷学園	51	214	157	57	73%	64	254	215	46
攻玉社	52	236	158	78	67%	45	264	177	19

この2校は私も学校説明会に伺っており、関連記事にしていますので、興味のある方はぜひ、ご参照お願いします。

ちなみに以下の3校についても触れます。

ご存知の方も多いかもしれません。更にあまり世間で触れられていない部分かもしれません。

今、話題の倍率が急上昇の巣鴨中学、西東京のドンである桐朋中学、そして2020年受験では倍率が穴場とされる2/2に受験日となった暁星中学について、現役合格に絞ると以下の通りとなります。

着目すべきは現役率が50％前後、半分は浪人することを意味します。

学校名	中学 偏差値	学年人数	現役進学	浪人	4大現役 合格率	国公立	早慶上理	GMARCH	日東駒専
巣鴨	53	223	119	104	53%	39	77	28	18
暁星	53	167	85	82	51%	20	77	45	7
桐朋	54	314	158	155	50%	56	182	124	17

教育方針や教育環境等に個性があり、良い学校だと思いますし、否定もしませんがこの学校に熱望しているご家庭の場合、現役率が非常に低いことを理解して、入学することを意識した方が良いです。

 

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女子校（横浜雙葉、横浜共立、国府台女子、大妻）

男子校の同偏差値帯と対比すると見劣りする部分がありますが、横浜共立が際立って良いことも数字から判ります。

学校名	中学 偏差値	学年人数	現役進学	浪人	4大現役 合格率	国公立	早慶上理	GMARCH	日東駒専
大妻	52	267	238	26	89%	22	83	201	121
国府台女子	52	318	285	28	90%	17	42	115	54
横浜共立	54	180	154	25	86%	28	140	215	33
横浜雙葉	54	184	147	37	80%	30	83	105	14

大妻、横浜共立、横浜雙葉については私も学校説明会に伺っており、関連記事にしていますので興味のある方はぜひ、ご参照お願いします。

ちなみに国府台女子は以下のOBを輩出しております。

• 白石小百合（実業家、フリーアナウンサー）
• 鳳月杏（宝塚歌劇団月組男役）

 

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共学校（開智）

埼玉御三家の一角である以下の学校が唯一、基準をクリアしていたという状況です。

なお、2019年の現役進学数や浪人数が載っていなかったため、ブランクとしましたが過去5年の実績は載っていたため、統計データに基づくと4大現役合格率は72〜79％となっています。

学校名	中学 偏差値	学年人数	現役進学	浪人	4大現役 合格率	国公立	早慶上理	GMARCH	日東駒専
開智	54	364	–	–	–	73	184	208	78

ちなみに開智は以下のOBを輩出しております。

• 才木玲佳（プロレスラー/アイドル、開智中高一貫部卒）
• 永岡歩（アナウンサー、開智中高一貫部卒）

偏差値55以上60未満でお得と思う中高一貫校がかなりある

私自身の個人的な見解として以下と定義したいと思います。

50ー54のゾーンよりもハードルを高めた設定としています。

• 出口となる大学実績は2019年のものをベースとし、以下の基準をクリア出来ている。
  • 4年生大学の現役合格率が学年の人数に対して、70%以上である。
  • 現役合格で国公立が20名以上、早慶上理が60名以上、GMARCHが100名以上、日東駒専が50名以上の合格実績がある。
• 1学年が400名未満である。
• 高校での生徒募集をしていない完全中高一貫校である。

男子校（芝、サレジオ学院、逗子開成、鎌倉学園）

以下の通り、ピックアップしましたが、男子校ゆえにやはり4大現役での合格率が70％を割り込んでいます。
ここはクリアしている学校がなかったので除外します。この中ではやや鎌倉学園の実績が薄いといったところです。

学校名	中学 偏差値	学年人数	現役進学	浪人	4大現役 合格率	国公立	早慶上理	GMARCH	日東駒専
鎌倉学園	54	298	168	130	56%	19	95	177	49
逗子開成	57	286	175	110	61%	59	166	222	76
サレジオ学院	58	171	113	58	66%	39	144	102	17
芝	59	279	–	–	–	59	178	90	11

鎌倉学園、逗子開成、サレジオ学院、芝については、私自身学校説明会に参加していますので、興味のある方はぜひ、関連記事をご参照お願いします。

ちなみに以下の学校は、高校からも生徒を募集しており、高校2年生より併設型混合クラスになります。中等部出身者がどこまで食い込んでいるか不明となりますが参考まで。

学校名	中学 偏差値	学年人数	現役進学	浪人	4大現役 合格率	国公立	早慶上理	GMARCH	日東駒専
城北	54	384	242	140	63%	64	282	253	100
本郷	58	309	196	113	63%	48	235	183	65

 

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女子校（頌栄女子学院、鷗友学園、鎌倉女学院）

次にこの3校ですが、鎌倉女学院は学年人数が少なく、入口の偏差値が一番低いながら、神奈川女子御三家の受け皿になっていることが功を奏して、ポテンシャルの高い生徒を上手く育成できているようで出口の実績が良いです。

学校名	中学 偏差値	学年人数	現役進学	浪人	4大現役 合格率	国公立	早慶上理	GMARCH	日東駒専
鎌倉女学院	56	164	146	18	89%	25	63	171	62
鷗友学園	59	237	197	38	83%	50	187	333	23
頌栄女子学院	59	223	195	23	86%	30	290	319	16

鎌倉女学院と頌栄女子学院は私も学校説明会に伺っており、関連記事にしていますので興味のある方はぜひ、ご参照お願いします。

ちなみに鷗友学園は以下のOBを輩出しております。

• 岡江久美子 – 女優・タレント
• 伍代夏子 – 演歌歌手
• 藤森夕子 – 女優・グラビアアイドル
• 小林杏奈 – よみうりテレビアナウンサー
• 久保田直子 – テレビ朝日アナウンサー
• 桑子真帆 – NHKアナウンサー
• 高橋亜衣 – 気象予報士、元ミュージカル俳優

なお、次点となります。学年人数が400を越えていますが、実績上は申し分もなかったので以下も参考ピックアップします。特に人数が多い割に現役合格率が極めて高いです。

学校名	中学 偏差値	学年人数	現役進学	浪人	4大現役 合格率	国公立	早慶上理	GMARCH	日東駒専
淑徳与野	56	421	406	15	96%	36	140	346	64

淑徳与野は以下のOBを輩出しております。

• 菅野美穂 – 女優
• 井田寛子 – 気象予報士・NHKキャスター

 

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共学校（栄東）

埼玉御三家の一角となる以下の学校をピックアップします。

なお、学年人数は毎年、お試し受験の定番学校で且つ、埼玉・東京・千葉を中心に押さえとしても活用しているご家庭もいることから例年の学年定員が大きく揺れます。

過去5年実績を見ると1学年当たり300〜500名という感じでGAPが最大200名存在するようです。

学校名	中学 偏差値	学年人数	現役進学	浪人	4大現役 合格率	国公立	早慶上理	GMARCH	日東駒専
栄東	58	407	269	134	66%	93	303	171	83

お試し受験で栄東中学に関して関連記事に書いてますので、興味のある方はご参照願います。

栄東は以下のOBを輩出しております。

• 小松秀行 – 元ORIGINAL LOVEベーシスト・音楽プロデューサー（第39回 日本レコード大賞 ベストアルバム賞）
• 工藤慎太郎 – シンガーソングライター（第39回 日本有線大賞 新人賞受賞）
• 竹内真理 – フリーアナウンサー

 

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偏差値50以上を越えてくると実績が高まる反面、浪人率が上がる

今回、改めて調べてわかったことは偏差値50以上を越え始めると4年生大学の現役合格率が下がり始めます。

恐らくもっと上位大学を目指して目標高く頑張っているという証拠なのかもしれません。

また全体的に言えるのですが完全中高一貫校としてピックアップ条件が厳しすぎるのか分かりませんが実績ベースにするとかなり適合する学校群が絞られます。

なお、前回の記事と同じ話になりますが、今回、私自身の勝手な見解をベースとし実績面で一定基準を設けて、その基準以上でピックアップを行いましたがその基準は各ご家庭で異なると思いますし、教育方針や設備面等を考慮して最終判断になろうかと思います。

また特にこの偏差値帯の場合、各学校の文化や風土、そして教育理念や方針が長い年月に積み上がっていると思いますので、お子さんのタイプに合うのか？という視点も大事だと思います。

実績部分はあくまで参考までであとはどのような学校で中高の6年間を過ごすことがベストなのかをイメージして志望校を検討することが大事だと思います。

時事ニュースの習得/強化に向けて

最後に本記事とは直接関係ない宣伝となりますが、小学校の低学年の方、及び現在、中学受験真っ只中の方向けの話です。

中学受験では国語での読解力や社会において時事問題が出るケースが多々あります。

そういう情報はもちろん塾でも小学校6年生の終盤に重点的に学習ケースが設けられますが、日々の修練が非常に重要になります。

塾に頼らず、日々の生活の中で時事ニュースや中学受験の過去問題をイラスト付きで触れられ、子供向けとして中学受験の基礎教養を身につくことが出来る方法があります。

それが子供用の新聞です。

中学受験を検討されているお子さんだと小学校低学年から読み出すご家庭も多くいらっしゃいます。

幼い頃から時事ニュースに触れることは読解力向上や社会という知識を基礎的に固めていく上で重要です。

子供用の新聞は、読売KoDoMo新聞と朝日小学生新聞の2種類が有名で発刊部数も1位、2位となっています。

読売KoDoMo新聞は、週刊で気楽に暇な時に読めてリーズナブルな月額550円という価格設定です。

週に1回お試しに利用しようという方にはこの読売KoDoMo新聞をお勧めさせて頂きます。
ちなみに我が家の息子/娘も読んでましたし、今も引き続き購読しています。

朝日小学生新聞は、日刊で毎日いろんな記事を読めて情報豊富ですが月額2,100円でやや高めの価格設定です。

既に本などが好きで書籍を読むことそのものに慣れている子供の場合は、毎日新しい内容を学べる日刊の朝日小学生新聞をお勧めします。

どちらもオススメの子供向け新聞で中学受験生の多くの方が購読していますのでぜひ、ご検討を！！