以下の件について、各塾でもオンライン授業の検討がされていると思います。
今回は、オンライン授業について、注意しなければならない事項やメリット/デメリット等含め見解を記載したいと思います。
昨今、日本政府より緊急事態宣言がなされました。
それに伴い、各大手学習塾は軒並み休校という事となっています。もちろん、既にそんなことは知ってるよ、という方が大半だと思います。そこでそんなコロナ影響を受けながらも、中学受験に挑む予定の方に関して我が家の取り組みも伝えつつ、これが良いのではないかと思う事柄について記載したいと思います。
コロナ影響による休校に関する他の記事を見たい方は以下を参照お願いします。
学校でのオンライン授業についての要望は強い
現在、学校や塾が休校全開で家庭学習に努められているご家庭が多数いらっしゃるかと思います。
そんな中、オンライン授業を開始しようとしている塾も現れ、また私立学校を中心にオンライン授業の準備に取り掛かっているところも多くなっています。
今回は、そのオンライン授業において、知っておいた方が良いと思う事柄含め見解等を記載したいと思います。
ちなみにTwitterで以下の通り、アンケート実施しました。
サピックスや日能研、四谷大塚等の学習塾に通ってる方を対象にこの自粛期間に塾側へ望む授業形式について教えて下さい。(ブログに集計結果Upします)アンケート期間は4/8〜15です。
— kanaharu@中学受験ブロガー (@kanaharu2019) April 8, 2020
結論、オンライン授業(双方向)が単独60%以上の過半数。従来通りの対面式授業も10%強の希望者あり。動画配信は20%強。塾の関係者の方は早々に準備をして欲しいところです。
(ちなみに私のフォロワーさんは圧倒的に中学受験を検討している保護者が多いのでそのセグメント層の回答結果です。)
オンライン授業を行うには環境整備が必要
オンライン授業とはネット環境を通じて、自宅から授業を双方向で受講出来るコンピューターにOn Line(直接繋がった状態)な授業となります。
以下の記事を見ていただくとイメージが伝わると思います。
逆に通常の対面授業というのは、上記の対義語でいうならばコンピューターにオフライン(直接繋がらない状態)な授業という事ですね。
オンライン授業とオフライン授業ではそもそも享受されるメリット/デメリットが異なって来ます。以下に整理し、記載します。
通常授業 (オフライン授業) |
オンライン授業 | |
環境条件 | ・学校に通学 | ・自宅にパソコンないしタブレットが必要。 (マイク/カメラ、及び指定の会議アプリケーションがインストール出来る端末の準備が必須) ・自宅に通信環境が必要。 ・学校側(主催者側)でも上記と同様の環境が必要。 |
受講中の条件 | ・静かに授業を聴く。 | ・主催者以外は基本的にミュート(消音)など会議ルールに基づいて対処が必要。 ・主催者はきちんとファシリテート(発言や参加を促したり、話の流れを整理したり、参加者の認識の一致を確認したりの行為を遠隔という環境を理解し、リード)する必要がある。 |
導入ハードル | ◎ | △ (事前準備とルール決めと運営への慣れが必要) |
メリット | ・従来の授業のまま出来る。 ・周りの様子も理解し、生徒同士で良い意味で刺激を受け、切磋琢磨できる。 ・授業の雰囲気を肌で体感できる。 |
・学校に行かず、自宅で学習できる。 |
デメリット | ・学校への通学必須。 | ・受講中の周りの雰囲気がわからない。 ・授業で不明な事柄について黒板を使った質問が出来ないので、遠隔ということを理解した上で先生に尋ねないと伝わらない。(ITリテラシーの強化で補える可能性あり) |
子供の学習理解度の 最大指数 |
100% | 60%〜100% |
コロナの影響で学校に行けない現状を考えるとオンライン授業を実施することの方が有効と思います。
但し、従来の学習方法(通常授業)よりも6割〜8割の学習理解になってしまうリスクがあります。
なぜなら、音声の乱れや遠隔ならではのコミュニケーションエラーの発生という影響を受けるからです。
但し、IT環境の整備や慣れ等によって、改善していくものと推察しています。
オンライン授業で注意すべき事柄
以下は、生徒側・保護者側の視点で述べます。
オンライン授業に参加する際、昨今のメジャーな会議ツールが用いられるケースが散見されているのが、現状です。私自身は、普段の仕事で以下のツールを常時頻繁に活用しています。
- Teams(Microsoft社)
- Hangout Meet(Google社)
- Zoom(Zoom Video Communications社)
上記のいずれも基本的な動きはほぼ相違ないです。
細かい部分での差異はありますが概ね保有している機能に大きな差はありません。
なお、品質も正直、数年前は差がありましたが、2020年現在、ほぼ差はなく、むしろその差を分けるのは以下です。
- ネット環境
- 光回線に接続されていて、Wi-Fi環境があれば特に問題なく活用出来ます。
但し、マンションで共有型の場合、通信帯域の占有上の関係から品質が劣化する可能性があります。 - 4G等の移動体通信環境でも利用可能ですが、オンライン授業における映像・音声データの通信容量が半端ないのでそこを十分考慮する必要があります。
モバイルルータ等を準備する場合、契約プランにおいては大容量対応のプランでの契約が必須です。 - 戸建てで光回線、Wi-Fi環境の場合、そのままで問題なくオンライン授業に参加できます。
- 光回線に接続されていて、Wi-Fi環境があれば特に問題なく活用出来ます。
- 用意する端末
- 数年前に購入等のWindows系のPCだと音声/映像の劣化が発生する可能性があります。
(WindowsそのもののOSの処理が重たい傾向にあり、特に映像/音声の処理が比較的弱い傾向。)
別途端末機種によっては、カメラやマイクを準備する必要もあります。 - iPad、及びMAC Bookは、標準で高画質のカメラが付いており、映像処理などグラフィクスに関しての処理性能も高いことからお勧めです。
- スマートフォンでも閲覧可能ですが、見難いですし、子供が中学生になったら、「情報」という科目があり、遅かれ早かれパソコンが必要となります。この機会に購入してみては?
- 数年前に購入等のWindows系のPCだと音声/映像の劣化が発生する可能性があります。
ちなみにApple好きの我が家では昨年、たまたまMAC Book Airの新機種を購入済みであり、それでZoom接続してますが、全くもって問題ない状況です。
[関連記事]
番外編16)MAC Book AirとiPhone 〜購入と交換〜
なお、Apple社のiPadやMAC Book Airに興味があるご検討の方について、参考までに個人的に推奨の機種を以下に記載します。
各塾の対応状況
ここで各塾の状況を見てみましょう。
基本的にはどの塾も休校ですが、早稲田アカデミーがアグレッシブにオンライン授業に挑戦する状況となっています。
エライ。他塾にも追従を期待したい。
塾 | 授業形式 | 他手法 | 備考 |
サピックス | 休校 | ・プリント等の郵送 ・問題解説の動画配信 ・質問を電話受付 |
・月謝は返金しない旨、明確に連絡あり。 (保護者騒然でそこそこにTwitterで炎上) |
日能研 | 休校 | ・問題解説の動画配信 | ・質問のみオンライン受付を実施予定。 (オンラインは、Zoomを活用) |
四谷大塚 | 休校 | ・予習シリーズの動画あり。 | ・動画についての歴史が長く、授業品質は一番高い。 |
早稲田アカデミー | オンライン授業 | ・問題解説の動画配信。 | ・オンライン(双方向のWeb)授業、オンデマンド授業映像を実施予定。 (オンラインは、Zoomを活用) |
オンライン授業の品質は割と問題ない
我が家では、日能研の「ZOOM質問ルームになれよう会」に指定のZoomで接続してみましたが、結論、映像も音声も全く問題なし。
日能研の先生がミュートしましょう、とか操作等を適宜、指示をしておりました。
子供だけで映ってるご家庭もいたけどそれほど混乱した様子もない。ルール作って皆で守れば、オンライン授業そのものが出来そうな印象でした。
また、もともと通塾して中学受験を目指すご家庭はきちんとルールを伝えれば守りそうなのとITリテラシーの水準もそもそも高い印象でした。
ちなみにその他大勢の公立のオンライン授業よりも塾や私立のオンライン授業の方が障壁がかなり低いのかも、というのが実感です。
なお、1点懸念は、日能研では各学年で時間を決めて質問ルームが開催されるようですが、相当な人数のアクセスが来た際にどのようにファシリテートするつもりなのか、不明です。
運営のためのルールが甘そうなので、そういった意味で上手くこの質問ルームが機能するのかは現時点で読めません。
遠隔を前提として場をコントロールするのは目の前にある”画面と音声のみ”となります。
近くに行って注意することも出来ないし、名指しで注意しても相手側が音声乱れで聞こえず、気づかないこともあります。多人数の時の遠隔ファシリテートは相当に難度が高いからです。
オンライン授業は塾側の運営ノウハウが肝
オンライン授業といってもその基礎技術についてビデオカンファレンスと呼ばれるものであり、既に歴史は余裕で10年以上を誇っています。
圧縮技術や音声同期など個々の技術は成熟しており、やっとインターネット環境を取り巻く通信が広帯域になり、端末も高画質の映像などの処理性能が高まったことで昨今では非常にシームレスな接続を実現できるようになっています。
ではオンライン授業の成功のキーは何か?と言うと、それは今回でいうと塾側の運営手法と考えています。
ここをきちんと動かすことで機能すると私は思います。
運営手法とは、授業を円滑に進めるための生徒への各種ミュート(消音)指示だったり、授業のための資料における”資料共有”などの各種ツールをスムーズに扱うための「ITリテラシー」、それを理解した上での全体ファシリテート(遠隔を理解した授業の進め方)が講師側で出来るかどうか、だと感じます。
恐らく最初は色々と課題は出るかと思いますが、徐々に慣れていけば良いな、と考えています。
我が家では、私立中学に通う中2の息子の学校もオンライン授業準備中のようです。
令和2年のコロナウィルス恐慌によって、オンライン授業が推進されていくことは間違い無いと思ってますので、暫く静観したいと思います。
時事ニュースの習得/強化に向けて
最後に本記事とは直接関係ない宣伝となりますが、小学校の低学年の方、及び現在、中学受験真っ只中の方向けの話です。
中学受験では国語での読解力や社会において時事問題が出るケースが多々あります。
そういう情報はもちろん塾でも小学校6年生の終盤に重点的に学習ケースが設けられますが、日々の修練が非常に重要になります。
塾に頼らず、日々の生活の中で時事ニュースや中学受験の過去問題をイラスト付きで触れられ、子供向けとして中学受験の基礎教養を身につくことが出来る方法があります。
それが子供用の新聞です。
中学受験を検討されているお子さんだと小学校低学年から読み出すご家庭も多くいらっしゃいます。
幼い頃から時事ニュースに触れることは読解力向上や社会という知識を基礎的に固めていく上で重要です。
子供用の新聞は、読売KoDoMo新聞と朝日小学生新聞の2種類が有名で発刊部数も1位、2位となっています。
読売KoDoMo新聞は、週刊で気楽に暇な時に読めてリーズナブルな月額550円という価格設定です。
週に1回お試しに利用しようという方にはこの読売KoDoMo新聞をお勧めさせて頂きます。
ちなみに我が家の息子/娘も読んでましたし、今も引き続き購読しています。
既に本などが好きで書籍を読むことそのものに慣れている子供の場合は、毎日新しい内容を学べる日刊の朝日小学生新聞をお勧めします。
どちらもオススメの子供向け新聞で中学受験生の多くの方が購読していますのでぜひ、ご検討を!!
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