以下の通り、低学年のご家庭に関してフォーカスを当てていきます。
中学受験を検討している小学校低学年のご家庭にスポットを当てたいと思います。
我が家では現・中1の息子世代と、現・小5で新小6となる娘世代の方々の小学校の友達や、中1の息子の友達の様子を聞いていて、なんとなく小学校低学年の時から過ごし方にもちょっとずつ差があるように感じていました。
そこでいくつかの切り口に分けて、進めて行きたいと思います。
ちなみに低学年の推奨ToDoリスト・シリーズの記事の読者対象は幼稚園の年中〜小学校3年くらいと想定し、記載しています。既に小4〜6のお子さんがいる方は参考までに振り返って見て頂くと良いかもしれません。
今回は、低学年の中でも中学受験を既に視野に入れているご家庭での”子供への理解”をテーマに記載します。
というのも我が子に対する期待をどこに置くかで低学年で実施すべき事項が変わるように思いますし、闇雲に色々させる事自体も良くないと思ってます。
また我が子と一緒に暮らしていて、その子の”らしさ””ポテンシャル”は徐々に分かってくると思うのでそこに関する事柄についても記載したいと思います。
低学年の推奨ToDoリストに関する他の記事を見たい方は以下を参照お願いします。
母親の地頭の良さが子供に遺伝する率はそもそも高い
子供自体は、父親、母親のいずれかに似ていると言われています。DNAとしての遺伝に寄るものです。
教育心理学者のアーサー・ジェンセン氏は1969年に「知能の7割は遺伝によって決まる」という内容の論文を発表しております。
父親の知性に関係なく、勉強が得意な母親からは勉強の得意な子供が生まれるが、勉強が苦手な母親からは勉強の苦手な子供が生まれる、と説いています。
特に相関性が高いのは、染色体の性質・特徴から「勉強のできる母親×男の子」が最強の組み合わせといえる、らしいです。
上記は勉強の有無に焦点を当てた議論ですが、音楽や体育、そして性格など色々な遺伝因子が存在している中で夫婦の遺伝を引き継いでるのが”我が子”であるという事実を忘れてはいけません。
我が子に対する過剰な期待を割としがちですが、良いところと苦手なところを冷静に子供をみて、向き合うことが大事と感じます。
まずは、我が子の特長を押さえよう!
関連記事にも記載していますが、以下の2点で既に子供の大枠の特長を掴むことが出来るはずです。
- いろんなところに外出/お出かけしていく事で子供自身が興味を持つ分野等も分かってくる
- 子供に習い事をさせていく中で我が子の向き/不向きが分かってくる
兄弟がいると特に同じ習い事をしていても上手/下手、勉強も進度が異なっていたりとかなり違いが分かります。
逆に言うと一人っ子の場合、その差が分かっておらず、過剰に期待していたり、他の子よりも理解が遅い等も分からなかったりすることがあります。
我が家では、ピアノや裁縫などを見ていると娘は非常に他の子よりも器用に実施していたり、先生も褒めてくれたりするので女の子らしい分野に強いように感じてます。
一方で勉強については、既に娘が小3の時点で息子よりも2段階くらい進度が遅いのでその差も体感しています。
逆に息子の場合は、体力があったり、走りも速かったりするもののサッカーなどの球技は下手でしたが、理解力は小学校低学年の時からずば抜けるものがありました。
子供と触れ合う中で我が子の”らしさ”というか強みと弱みを親自身が理解することが非常に重要だと思います。
良くも悪くもそこを読み違うと我が子に対して、過剰に負荷を与えてしまい、キャパシティ・オーバーとなり、結果的にやる気もなくなるし、モチベーションも維持することは困難になると思います。
ここで言いたいことは、”子供の良い部分”を伸ばしつつ、狙いたい未来に対して出来る限り、アタッチさせつつも無理させ過ぎないようにフォローアップを進めていくことが大切であると考えています。
少なくとも親のエゴで無理やり子供の望んでいないことをしていても結果が良くなるはずもないので子供の意志も組みつつ、何事も進めていくことが大事です。
ここを結構、無視しているご家庭があるように思います。盲目的になってしまうが故なのかもしれません。
[関連記事]
戦略113)低学年の推奨ToDoリスト 〜お出かけとスポーツ編〜
戦略114)低学年の推奨ToDoリスト 〜学習準備編〜
戦略115)低学年の推奨ToDoリスト 〜Not recommendな習い事編〜
我が子の好む方向性を知っておこう!
小学校低学年でも、我が子は、勉強は苦手だけど運動が得意、とか勉強以外にある事柄が興味があるなど勉強以外で興味や強みのある分野を見い出すことで何となく我が子が好む方向性が見え隠れし始めると思います。
将来的な職業は本人の興味次第なのでここでは言及しませんが、現時点の興味や強みがありそうな方向性が分かっていると仮に中学受験をさせる際に、偏差値以外で学校を選択する軸が見えてくるはずです。
偏差値は結果的にどこかに着地するのでその物差しではありますが、それとは別に私立中学の場合、偏差値に限らず、良い教育指針・環境の整っている学校はたくさん存在します。
我が子の特徴をきちんと捉えていれば、どんな形であっても子供も納得出来るように思います。
[関連記事]
戦略3)中学受験に向けての心得 〜目指すべき学校の選び方編〜
戦略5)中学受験に向けての心得 〜後で困る学校選び編〜
戦略6)中学受験に向けての心得 〜目指すべき学校のチェック・ポイント編〜
戦略70)中学受験の失敗談 〜志望校の選定編〜
戦略78)中学受験を通じて気づくこと 〜文化祭編〜
疲弊する子供たち
中学受験を通じて、実は毎年見掛けるのが”疲弊する子供たち”です。
この子達のご家庭の特徴は、以下の通り。
- 親が非常に教育熱心で、幼少期から習い事をかなり実施させている。
- 親が裕福で子供への投資が半端ない。(学習面問わず)
- 学習面でも幼少期から複数の習い事(大手塾や算数教室、英語教室など)を実施している。
- 中学受験では高学年になると徐々に成績が下がっていく。(キャパシティがオーバーしていく。)
- 成績ダウンを回避するために大手塾、個別指導塾、家庭教師など補強を繰り返し実施していく。
ご家庭での対応策は一見、正しいのですが、子供自身はどんどん疲弊し、勉強そのものが嫌になっていきます。
我が家の知っているご家庭では、Sapixで小1〜小4までαクラスにいて、徐々に成績が下がり、個別指導・家庭教師などどんどん加算されましたが、小6の出口はBクラスまで押し下がり、最終的にSapix偏差値42の中学に通われました。
日能研でも小1〜小5まで最上位クラスで途中で真ん中のクラスに落ちて、個別指導・家庭教師を加算されていたようですが、最終的に日能研偏差値39の中学に通われました。
たまたまですが、両方ともバックグラウンドが似ていて、父親が大学病院に勤めている医師であるご家庭でした。
子供自身が頭が悪いとは思いません。一方で、非常に幼少期から勉強面で詰め込められて、やる気やモチベーションが持続出来ず、勉強そのものが嫌になっていったように見えます。
そのご家庭は共に非常に悲痛な思いで最終的に私立中学に進学するに至ったようですが、過剰にやらせ過ぎなかったら、結果は違っていたのではないか、と私は思います。
あるご家庭は「際限なく子供に投資が出来る」それは凄いことなのですが、不幸を作り出す要因にもなるように感じています。
子供自身が望んでいるのか、その子の(現時点の)キャパシティを超えていないのか。そこを理解した上で進めていかないと子供自身のやる気の炎を親自身が消しこんでしまうようにも思います。
中学受験は昨今、早熟化しており、小学校低学年から通塾しないといけない等言われ始めています。
そうだとしたなら、少なくとも低学年時代はどんな成績でも良いので楽しく通わせる事を重視した方が良いと思います。
上記で記載した子たちは共通して、中学受験に対して小学校4年からの3年間ではなく、小学校1年からの6年間という長い期間戦った事による疲弊のように見えております。
そうさせないように親はきちんと子供を見守った方が良いし、結果的に家族の関係も良好になると思います。
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戦略53)中学受験に向けたオヤジ学 〜二月の勝者(3,4,5巻)編〜
親のエゴでなく、子供への理解を深める
低学年から多くのご家庭で徐々に色々な準備・学びとしての習い事が開始されています。
その基本は“楽しい””面白い””やっていても苦ではない”という3拍子が揃っていないとなかなか本人も継続することが出来ません。
無理に続けても良い結果は生まれません。
1つの事を長くやらせて忍耐をつけるべき、という事柄には賛成です。
我が家も結局、サッカーは途中、休止しましたが、小学校6年間実施していましたので理解できます。
それとは別に勉強面においては通う中学が変わってくるので慎重に動かした方が良いです。
小学校高学年になってあまり芳しくない状況になった場合、勉強とは違う軸で良い学校を探すような動きを取る事で子供自身の負荷・精神的ストレスは和らぎます。
本当に子供がこの学校に入りたいという意志が宿って、自ら勉強のテコ入れ・補強として個別指導塾等を加算したいという感じになれば、成績も上昇傾向になると思います。
小学校低学年の間に子供の特徴・強み・弱みを把握して、中学受験を実施する場合で小学校高学年になった際に無理にキャパシティ・オーバーを招くアクションや、子供自身が望んでいない中での無理やりな舵きりをするようなアプローチを取らないようにすることが肝要と考えています。
時事ニュースの習得/強化に向けて
最後に本記事とは直接関係ない宣伝となりますが、小学校の低学年の方、及び現在、中学受験真っ只中の方向けの話です。
中学受験では国語での読解力や社会において時事問題が出るケースが多々あります。
そういう情報はもちろん塾でも小学校6年生の終盤に重点的に学習ケースが設けられますが、日々の修練が非常に重要になります。
塾に頼らず、日々の生活の中で時事ニュースや中学受験の過去問題をイラスト付きで触れられ、子供向けとして中学受験の基礎教養を身につくことが出来る方法があります。
それが子供用の新聞です。
中学受験を検討されているお子さんだと小学校低学年から読み出すご家庭も多くいらっしゃいます。
幼い頃から時事ニュースに触れることは読解力向上や社会という知識を基礎的に固めていく上で重要です。
子供用の新聞は、読売KoDoMo新聞と朝日小学生新聞の2種類が有名で発刊部数も1位、2位となっています。
読売KoDoMo新聞は、週刊で気楽に暇な時に読めてリーズナブルな月額550円という価格設定です。
週に1回お試しに利用しようという方にはこの読売KoDoMo新聞をお勧めさせて頂きます。
ちなみに我が家の息子/娘も読んでましたし、今も引き続き購読しています。

既に本などが好きで書籍を読むことそのものに慣れている子供の場合は、毎日新しい内容を学べる日刊の朝日小学生新聞をお勧めします。
どちらもオススメの子供向け新聞で中学受験生の多くの方が購読していますのでぜひ、ご検討を!!
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